第16話 ガンバルカテ
翌日。
実家に帰ると、既に従姉妹達は来ていた。
「こまちちゃんおかえり〜!」
と出迎えてくれた。
ワンちゃんズもいるらしく、中庭の方もいつもより賑やかだ。
『ただいま。頼まれたお団子買ってきたよ。』
「ありがとう!三色団子もある!」(二個下の従姉妹)
「しかも2個ずつ?!ありがとう!」(同い年の従姉妹)
『お茶入れてくるね。お皿も必要かな?』
「こまちお姉ちゃんありがとう!」(20歳の従姉妹)
やっぱり可愛いね。
一気に子供の頃に戻ったみたい。
「私も手伝うよ!」
と今年成人式をした従姉妹がついて来てくれた。
女の子の中では、この子が最年少。
この子は、看護師になるために専門学校へ通っている。
男の子は2人いて、1人は大学生。もう1人は、高校生。
時々、私のアパートに遊びに来るのは大学2年生の従兄弟。
『ワンちゃんズの様子を見てから行くから、先にお皿持って行ってくれる?』
と頼むと
「うん!いいよ!」
と言ってくれた。
従姉妹達は、昨日来て泊まったらしい。
春休み中でも看護学校の課題はあるんだって。
他の従姉妹達も仕事があるから明日の朝帰るらしい。
ワンちゃんズも変わらず元気そうで安心した。
お茶を持ってみんなが待つ2階の部屋へ。
「こうやって集まるのは久しぶりだよね?」
と同い年の従姉妹。
この子とは時々、連絡は取っていた(笑)
『そうだね。時々、連絡は取り合っていたけど、実際に会うのは久しぶりね!』
「そうだよね!こまとは、たまに会ってたけどみんなはないね。」
女従姉妹は、姉を合わせて6人。今日集まったのは、私を含めて4人。
姉は一人旅中で、東京で働く従姉妹は休みが取れなかった。
『会ってもあんまり話さなかったよね?』
「そうだね。ねぇねぇ、桜観に行ってきたんでしょ?誰と行ったの?」
『昨日行ってきたよ!彼氏と行った。』
従姉妹達は、キャーーッと声を上げた。
「私もこれから彼氏と観に行くの!」
と看護学生の従姉妹。確か、同じ学校に彼氏がいるんだっけ。
「2人してリア充かよ!」(同い年)
「あっ!私、こまちちゃんの連載小説読んでるよ!夢のやつ!」(二個下)
「私も!あの小説読んで、頑張る力もらってる!」(同い年)
「あの主人公を見てると、読んでるこっちまで前向きになれる。」(20歳)
とみんな密かに連載小説を読んでくれていた。
嬉しいな。小説を通して誰かの力になれてるんだ。
しかも、こんな身近な人達の。
嬉しすぎる(;_;)
『ありがとう。そう言われるととっても嬉しい。これからも書き続けるね。』
と精一杯の感謝を伝える。
誰かの頑張る糧になれているなら、私は書き続ける。
たとえ、書籍化されなかったとしても、私は私の物語を書き続けるわ。
小さな連載小説かもしれないけど、私にとっては大事な作品。
もちろん書籍化されたら、今よりたくさんの人の目に止まって読んでもらえる。
でも、こうして連載小説から応援してくれる人達も大切にしたい。
私の夢の原点はこれだった。
一人でも多くの人に読んでもらって、一人でも多くの人が笑顔になったり、この主人公のように頑張ろうと勇気や希望を与えられる作家になりたい。
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