第15話 マンカイノサクラ

大輝さんとの約束の日。

今日は、桜に合わせてピンクメイクにしようかな。

この前、梨乃と菜月からもらったプレゼントがピンク系のアイシャドウパレットだった気がする。

明日は、実家のお手伝いをする予定だからお土産もしっかり買わないとね。

何がいいのか聞いておこう。

たこ焼きや焼きそばは冷めたら美味しくないから、お団子とかお菓子系にしようかな。と考えながら準備をする。

白のドット柄のワンピースに着替えて、髪の毛をアレンジする。

昨日からやってみたい髪型があって、昨夜も鏡の前で練習していた。

大輝さんから着いたよとLINEが入り、忘れ物がないか確認して出掛ける。


桜の名所に向かっている車内。

「こまちちゃんは、今日行くところは行ったことある?」

『ううん、ないよ。姉たちは何回かあるみたいだけど、私は仕事で来られなかったの。』

「そうなんだ。俺も実は、初めて行くんだよね。」

『そうなの?!お互い初めてな所だとワクワクするね!』

私も大輝さんも行ったことないの、とっても楽しみ!!

「そうだね!テレビとかで観るのとはまた違うんだろうなー。」

きっと、生で観る方が、中継で観る何倍も綺麗だと思う✨

『きっと違うよ!』

「だよね!母たちにも写真送ろ。」

『お母様も行ったことないの?』

「ないよ。だから、写真とお土産頼まれた(笑)」

大輝さんの話を聞いていると、お母様もお姉さんもパワフルな人みたいだから、行ったことあると思ってた。

『私もお土産頼まれた(笑)』

「ふふふ、帰りに買おうね!夏になったら、水族館にも行きたいね!」

夏といえば、定番のデートスポットだよね!

お土産は、みたらし団子と三色団子がいいみたい。

明日は、従姉妹達が居るみたいだから、少し多めに買っておこうかな。

子供の頃は、よく水族館に従姉妹達と行ったけど大人になってからはあまりに行かなくなった。


桜の名所に到着。

結構混みあっていたけど、何とか駐車することができた。

名所の公園を手を繋いで歩く。

「天気が良いから、桜がキレイに撮れるね!」

と話す大輝さん。

『そうだね!今日にして良かった!』

春だから、日差しは温かいけど風はまだ肌寒い気がする。

ワンピースの上にカーディガンを1枚羽織ってきて良かった。

行き交うカップル達を見て、あの人達から見て私達ってちゃんとカップルに見えているのだろうか。と考える。

浴衣を着ている人もいるけれど、1人では着れないよね(笑)

大輝さんにも浴衣を着てほしいな。

学生の頃は、夏祭りの時期に姉と交代でお店を出していた。その時は、みんなで浴衣を着てお祭りを楽しんだっけ。

「こまちちゃんは、何か食べたいものある?」

『うーん。焼きそばが食べたい!』

あと、クレープとフルーツあめも食べたいな。

ちょっと食べすぎかな?(笑)

「おっ、いいね!姉から焼きそば買ってきてって言われてるから、ついでに買おっかなあ。」

『そうなんだ!私は、従姉妹にクレープも頼まれたよ。』

「帰る時に、クレープとお団子買おうね!」

『うん!』

まずは、満開の桜を楽しまなくっちゃ!!

「今日の髪型可愛いね!」

『ありがとう///』

編み込みをしたのなんて成人式ぶりだよ。

可愛いって言ってもらえると、昨夜と今朝鏡の前で練習した甲斐があったな。

「こまちちゃんって、ずっと髪長いの?」

『ううん。高校卒業までは、ボブだったよ。大学に入ってから伸ばし始めたの。』

また切る時は、肩くらいのミディアムにするつもり。

「そうなんだ!えー、ボブ時代の写真見たいな!」

『アパートに卒業アルバムがあるよ。あと、

友達と撮った写真もいっぱいあるよ。今度遊びに来る?』

「えっ?行っていいの?!行きたい!」

『もちろん!』

大歓迎!

アパートに遊びに来る人は、家族か梨乃と菜月くらいだから。

男性は、大輝さんが初めてかな。お父さんはめったに来ない。


満開の桜の下で2人の写真を撮って、レモネードを並べて写真を撮った。

レモネードを飲むのも学生以来。

夏祭りの時は、みんなで必ず飲んでたなー。

帰ったら、2人の写真をロック画面に設定しようっと!

「次は、こまちちゃんのアパートでお家デートだね!ゲーム持って行くね!」

『お菓子と飲み物を用意して待ってるね!』

この前、久しぶりにゲームやったけど難しかったなあ。

私、アクション系のゲーム向いてないのかも。育成ゲームの方がいいかも。

「あっ!あとで、さっきの写真送って!ロック画面にしたい。」

『レモネードの写真?』

「それも欲しい!ツーショットの方がメインかな。」

ふふふ、嬉しいな。

2人で同じロック画面だと、周りからバカップルって言われそう(笑)

『うん、いいよ!』


桜の写真や大輝さんの写真をたくさん撮った。

「そろそろお団子とか買って帰ろっか!」

『そうだね!』

明日、実家に行く時に持って行くから・・・。

5本入のを2パックずつでいいかな。

従姉妹達の分もあるから、5本を2パックずつで20本・・・そのくらいあった方がいいよね。

大輝さんは、5本入りのみたらし団子と三色団子を1つずつ買っていた。

私が買った個数を見て、

「いっぱい買うんだね。明日あたりに、誰か来るの?」

『明日、実家のお手伝いに行くの。今、従姉妹達が来ているみたいで、多めに買っておこうと思って(笑)』

「そうなんだ!さっき、従姉妹にクレープも買うって言ってたもんね!」

『うん!私もクレープ食べたいし。』

「じゃあ、俺はこまちちゃんのクレープを1口もらおうかな。」

ん?どういうこと??

えっとー・・・それは間接キスってことよね?!?

急に恥ずかしいこと言うね?!

この人平気な顔して、爆弾投げ込んできましたよ?!?!

『えっ?!何を言ってるの?』

「だから、1個はいらないから、1口欲しいって言ってるだけだよ?」

ハードル高いことを言っている自覚はないみたいで。

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