第9話 ミライノハナシ

今日は、梨乃と一緒にCafeに来た。

2回目のデートから1週間後に希望休の用紙が出されて、言われた通りに誕生日に希望休を入れた。


「こまち、今年はどうする?去年みたいにお泊まり女子会する?」

と梨乃に聞かれた。

『ごめん、梨乃。今年は、別の人に誘われちゃって…。別の日でもいい?』

と謝ると

「なになに~??男?男から誘われた?(笑)」

とニヤニヤしながらアイスティーを飲む梨乃。

『まあ、そんな感じかな?(汗)だから、ごめんね。』

「気にしなくていいよ!こまちに彼氏が出来るかもしれないんだから、応援するよ!菜月にもこまちから伝えておいてね〜。」

と言われた。


彼氏が出来るかどうかはおいといて、別の人と約束したこと怒ってないんだ。

『分かった。』

「別の日かー。でも、2月中にお祝いしたいから、月末あたりにお泊まり女子会しようね!その日に菜月と一緒に詳しいこと聞かせてもらうからね!」

とどこか嬉しそうな顔をしている梨乃。

転勤してきて何年も経つけど、こうして私が恋愛の相談とか一度もしたことない。

こんな身近に応援してくれる人が2人もいたら心強い。

本当は、名前も隠さずに言いたいけど、内密にって言われてるから言えない。

「てかさ、誕生日を一緒に過ごすってことは、告白されるんじゃない?!いや、絶対されるでしょ!こまちにもついに彼氏ができるのか〜。いい報告待ってるね♡」

彼氏って…櫻井さんが?!

いやいや、期待はしてはダメよ。

『告白ってまだ気が早いわ!好意を持たれてるかどうかも分からないのに。』

「いやいや。誕生日に誘うのは、好意がないとやらないでしょ〜?」

『分からないでしょ。好意がなくてもできてしまう人だっているかもしれないじゃない。』

「いないよー。まず、私達の年齢的にもう遊び人やってる歳じゃないから!この年齢くらいになると、結婚とかも考えて付き合うようになるのよ。」

こまちはお子ちゃまね。と続けられた。

お子ちゃま…。

確かに何も分かっていないかもしれない。

『結婚かー。そうだよね、そろそろ考えないといけない年齢ね。』

「そうよ!子育てすることを考えると尚更ね。ちょっと遅いくらいじゃない?」

思ったより、深い話に発展したね。

付き合った先の未来まで考えるのか…。

そうよね、私も26歳。もうアラサーだもんね。

『女性には、出産と子育てっていう重大な任務があるもんね。』

「まあ、遅くても30の初め頃には結婚して、子供産めるのがいいよね。理想は、今の歳くらいだけどね。」

『そうね。あっという間に30歳になっちゃうね。』

期間限定のパフェを食べながら話す。

結婚か…。櫻井さんの年齢的に考えていてもおかしくないよね。

出産と子育てをすることを考えると、もう結婚してもおかしくない年齢にはなっている。

「私も30前に結婚したいな〜。」

『そういえば、梨乃と菜月ってお付き合いしている人いるの?』

「あれ?こまちに話したことなかった?私、3つ歳上の彼氏がいるよ!」

『そうなの?!初めて聞いたかも。全然惚気話とか相談しないよね。』

「相談は、こまちの方が恋愛経験ないと思ってたからしなかっただけよ。たまに惚気けてたと思うけどな〜。たぶん、こまちが気づきてないだけ(笑)」

たしかに、私の方が恋愛経験ないけど、頼ってほしかったな。

『たしかにないけど…。相談してほしかったな。それは、きっと梨乃の話し方が上手だったのよ!』

「それは、ごめん(笑)まあ、こまちが彼氏出来たら、いろいろ相談し合えるかもね!だからって、相手はちゃんと見極めるのよ?でないと、こまちが大変な目に合うからね。」

『それは、楽しみ!見極められるか不安だけど(笑)』

「いざとなったら、私と菜月で見極めてあげるよ。」

『ありがとう!頼りにしてます。』

本当に2人は、頼りになる。頼りっぱなしな気がする。

でも私より、恋愛経験がある分1回1回のアドバイスが的確でわかりやすい。

「そういえば、その人とは何回遊んだの?」

『2回かな。誕生日が3回目。』

「うん、3回目が勝負だね。こまちも心の準備しておいた方がいいよ。」

『勝負の3回目?それって告白される準備ってこと?』

「そりゃあそうでしょ!たぶん、3、4回目のデートで告白されるよ。」

『分かった。』

梨乃の言う通りになるとは限らないけど、心の準備はしておこう。

期待のしすぎはよくないから、あまり期待はしないでおくけどね。

「もし告白されたら、自分の気持ちに素直に返事してね!自分の心に嘘ついたら、後で苦しむだけだから!」

と忠告をうけた。

自分の気持ちに素直に…ね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る