第6話 ミーティング
翌日。出版社の方とのミーティング。
「今の連載小説がミステリーなので、次回作は夢や希望といった明るいものをお願いしたいと思っています。」
『分かりました。夢や希望で明るいものですね。』
あの頃の私たちを書けばいいのよね。
「あと、この夢や希望は、少し長めに書いてほしいです。夢も1つではなく、いくつかの夢を書いてもらいたくて…。」
『その夢は、同じ夢や目標ではない方がいいですよね。具体的にいくつがいいでしょうか?』
「そうですね。別々の夢の方が、読者の方も読んでいてワクワクすると思いますし、どうなっていくんだろうとドキドキすると思います!具体的には、3つくらいがいいかと思います。」
『3人ですね!分かりました。』
別々の夢を3人ね。誰の夢を書こうかな…。
夢や希望だったら、和果さんは絶対入れたい。
「それと、この間お渡しした資料の作家さんが、1冊の本に一緒に載ります。松本先生は、まだ書籍を出版したことがなく、今回が初めてだと伝えたところ、こちらも明るいテーマでという話になりました。本の方は、夢を叶えた後の物語を書いてほしいそうです。」
連載が夢を見つけて、夢に向かって突き進む姿で、本の方が夢が叶った後のことを書くのね。
夢に向かって突き進む姿なら、ひよりさんかな。
『似たようなテーマでも、前と後では全然違いますね。』
「松本先生の初めての書籍化にはピッタリなテーマだと思います!これを見てください!松本先生宛のファンレターも届いているんです!」
私宛で出版社に届いた数十通のファンレターを私にくれた。
こんなに応援してくれる人がいるなんて知らなかった。
このファンレターを活力に、作家としてもっと頑張らなくちゃね!!
『ありがとうございます!絶対、このチャンス逃しません!全力で頑張ります!』
「書籍の締め切りはまだ先ですので、ミーティングと、一緒に載る方たちとの打ち合わせを重ねて、よりいいものを書き上げましょう!連載小説の方は、来月末で終わるので今月末からチェックしていきます。」
読者に夢を分け与えられるような物語を書きたい。
素晴らしい仲間が今も昔もいる。
『はい。よろしくお願いします!』
どちらも夢がテーマ。ちょっと難しそう。
でも、書籍化のチャンスを逃すわけにはいかない。
「次回の打ち合わせの時に、次回作の連載小説のチェックをします。今回はこの辺にしますか?次回は、2週間後で大丈夫でしょうか?」
『2週間後ですね…分かりました。次までに連載小説を書き進めておきます!ありがとうございました!またお願いします。』
約2時間のミーティング終了。
もうそろそろお昼の時間ね。どこかで食べようかな。
たしか、この辺に、梨乃達と話していたダイニングCafeがあったはず…。
たしか、某有名なコーヒーチェーン店の近くだって言ってたはず。
『あっ!あった、ここね。』
雰囲気良さそう。入ってみよ。
大学生の頃、よく友達とこういうCafeでコンテストの作品を書いてたっけ。
またいつものグループで集まりたいな。連絡してみよ。
席に案内されて、メニューを注文する。
どちらも夢がテーマだけど、改めて考えると難しい。
まずは、連載小説から。蘭さんか華音は入れたい。
ひよりさんも入れて…。
和果さんは絶対に入れるって言われた時から決めてる。
和果さんは私たちの始まりの人だもの、欠かせない。
本当は、大学の友達も入れたいけど、今回はやめておこうかな。
書籍の夢が叶った後も含めて、蘭さんか華音どっちにしよう。
うーん…2人に会って話してみないと決められない。
その間に、和果さんとひよりさんを進めよう。
やっぱり、1番最初は和果さんよね。学生時代の和果さんを思い出しながらノートにペンを走らせる。
とっても懐かしい。こうやって書いてみると、和果さんの行動力ってすごかったのね。
私達も影響を受けていたもんね。
今も昔も、和果さんが目標だな。
注文したお料理を食べながら、構想を考える。
連載小説だけじゃ、和果さんのすごさをみんなに伝えられない!!
1冊の本にして出したい。
でも、そこが私の腕が試されているのよ。頑張らくちゃ!!
それから1時間くらい書いていた。
和果さんのおおまかな構想はできた。あとは、物語にしていく作業。
ランチタイムの忙しい時にあまり長居をしては、お店に迷惑だからそろそろ出よう。
少し冷めたコーヒーを飲み切って、お店を出る。
今日は、アイディア出しだけにしておいて、次の休みに執筆しよう。
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