第5話 ハツデート??

目的地に到着!

「はい、到着〜!お疲れ様!」

『長時間運転お疲れ様でした!』

今日は、最近話題になっている映画を観にきました!

「先に、映画の上映時間見てチケット買おっか!」

『はい(*^^*)』

差し出された手を握ると、自然と恋人繋ぎにされました。

えっ?恋人繋ぎ?!不思議と違和感は感じない。

映画は、最近話題の恋愛モノ。

櫻井さんってこういうの、観るのね。

私に合わせてくれてるだけ??

「13時台でもいいけど、あんまりゆっくりご飯食べられないかもね。」

『じゃあ、14時台のを観ましょう!』

「OK!そうすると、ご飯ゆっくり食べられるね!」

すごくニコニコしてる。

櫻井さんがこんなに笑っているところ、初めて見た。

職場では、あんまり笑ってるイメージないかも。

『櫻井さんは、ここよく来るんですか?』

「うん。姉や母とも来るよ。」

『そうなんですね!』

だから慣れてるのか。

私、教習所以来、高速道路走ったことないかも?(笑)

『こまちちゃんは何が食べたい?』

ん?こ、こまちちゃん?!こまちちゃんって言った??

久しぶりに男の人から”こまちちゃん”って呼ばれたよ。

ドキドキする。

私は、何て呼び返すべき??君付ける?

『えっとー…パスタですかね。』

顔見れなくて、ずっと手元見ちゃう。

本当に恥ずかしい…///

「OK!パスタね。顔上げてよー、寂しいじゃん。」

『ドキドキしすぎて無理です!!』

反論するため、思わず櫻井さんの方を見てしまった。

「顔真っ赤じゃん!めちゃ可愛い。」

とケラケラ笑う櫻井さん。

『櫻井さんと違って慣れてないんです!』

とムキになって顔を背ける。

元彼も”こまちちゃん”って呼んでくれたけど、同い年で同級生だったから、2,3ヶ月で呼び捨てになったっけ。

私も同じタイミングで呼び捨てにしたから、お互い初々しい呼び方してたのは、2,3ヶ月くらいだったなあ。

「そうなんだ(笑)(俺的に)慣れてない方がいいな。」

『そうです。こういうのも数年ぶりなので。』

社会人になってからは、誰かとお付き合いしたことはない。

「パスタのお店、ここでいい?」

『はい!』

ランチタイムです!

「松本さんは、男友達から何て呼ばれてるの?」

『大学時代の友達は、こまちゃんかこまですね。櫻井さんは、女性から何て呼ばれてますか?』

「大輝とかヒロかな。この歳になると、仕事の付き合いが多くて、苗字が多いね。」

『そうなんですね!』

「こまちちゃんって、兄弟いる?」

『年が離れた姉がいます。』

「お姉さんいるんだ!俺も姉がいるよ!」

『はい、よく似てるみたいです。』

「そうなの?間違われたことある?」

『学生時代は、よく間違われてました。』

「そうなんだ!もしかして、松本さんの実家って、和菓子屋さん?」

『はい、そうです。うちのお店ご存知なんですか?』

「あそこの和菓子、うちの親大好きなんだよ!」

『そうだったんですね!』

まさか、実家のお店をご存知とは思わなかった。

お母様がお客さんだったことも驚き。

『もしかしたら、どこかでお母様に会っているかもしれませんね(*^^*)』

「今度、聞いてみるよ(笑)」

いろいろ話していたら、ご飯食べ終わりました。


映画を観終わって、おみやげにドーナッツを買ったので帰ります。

「買い忘れとかない?大丈夫?」

『大丈夫です!』

家族LINEでちゃんと好みを聞いたからバッチリ!

「1日敬語とれなかったね。」

『あっ、すみません。まだ緊張してて。』

「そうだよね。ゆっくりでいいよ!また、休みが合う日一緒に出掛けよ?」

『はい、お願いします!』

次の約束ができたという認識でいいのかしら??

そういえば、今日ずっと恋人繋ぎしてた。

不思議と違和感がなくて、しっくりきてるかも?(笑)

「また途中で休憩しながら帰ろっか!トイレ行きたくなったら言ってね!」

『ありがとうございます!』

やっぱり、年上の人と話す時は敬語になっちゃうなあ。

「帰りは、アパートの前がいい?それとも、朝のコンビニがいい?」

『明日、仕事なので、朝のコンビニがいいです。』

「OK!じゃあ、LAWSONに送るね!」

どうして私を誘ってくれたのかしら?

誘われた日からずっと疑問だった。

梨乃や菜月の方が私より魅力的だと思うし、櫻井さんの周りならいい人いっぱいいそうなのに。

私と櫻井さん、10歳以上離れてるのに大丈夫かしら?

「こまちちゃんって、一緒にいると和むとか言われること多いでしょ?」

『多いですね。そんなつもりはないんですけど。』

「雰囲気もそうだし、たぶん性格とか人柄だと思うよ!」

雰囲気…それって答えになってるのか?

でも、思い返してみれば、和果さんや蘭さんに最初に会った時にも

「松本先輩は、なんか安らぎ〜って感じじゃない?」

って言われたなあ。

『そうなんですかね?大人になったら自然と言われなくなりました。』

社会人になってから、そういうことは言われない。

おっとりしてると、梨乃に言われたことがある。



朝、待ち合わせたコンビニに到着!

『ありがとうございました!とっても楽しかったです!』

「こちらこそありがとね!また誘ってもいいかな?」

『もちろんです!(^-^)』

「ありがとう。家に着いたらまた連絡するね!おやすみ!」

『気をつけ帰ってください!おやすみなさい。』

明日は、ミーティングか。遅れないようにしないと。

本のことについてだと思うから、メモと前にもらった資料を忘れないようにしないと。

何人かの作家さんの物語を1冊に入れるって言ってたわよね。

来月末で、今の連載小説が終わるから、新作も書き始めないと。

毎週楽しみにしてくれてる人がいると思うと、やりがいがある。

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