第4話 ドライブ

あっという間に約束の日がやってきた。

待ち合わせは、9:30に私のアパートの近くのコンビニ。

歩いて3~5分の距離にあるから歩いてきた。

櫻井さんはまだ来ていないみたい。

すれ違わないように、ちゃんとLAWSONであることは確認してあるから大丈夫。

運転してもらうんだから、手ぶらはよくないわよね?

あと、10分くらいあるし中で飲み物買って来ようかな。

何がいいのか分からないけど、職場ではよくカフェラテを飲んでいたはず…!


カフェラテを買って、コンビニを出たら櫻井さんの車があった。

「お待たせ!遅くなっちゃってごめんね!」

と櫻井さんが出てきて車のドアを開けてくれた。

『いえ、大丈夫です!あの、これよろしければどうぞ。』

カフェラテとガムが入った袋を渡した。

「ありがとう!気を遣わなくてもよかったのに。」

と言われてしまいました。

『長時間運転してもらうのに、手ぶらは悪いと思って…。』

「松本さん優しい…!ありがとね!」

『今日は、お願いします。』

男性の助手席なんて久しぶりに乗る。

「長距離移動になるから、途中で休憩挟むけど疲れたら言ってね!」

『ありがとうございます!』

こういう気遣いは、きっと大人の余裕なんだろうな。

目的地へ向けて出発!

「松本さんの家ってLAWSONの近くなの?」

『はい、歩いて5分くらいです。』

「そうなんだ!コンビニ近いと便利でしょ?」

『うーん…どうでしょう?毎日利用しているわけではないので…。たまにご飯炊き忘れたり、限定スイーツとか出たら買ったりするくらいなので。』

「ご飯炊き忘れたりってことは、一人暮らし?」

『はい、アパート借りてます。』

「じゃあ、1人で飲みたい時にお酒飲めるんだね!」

『そうですね。』

あんまり1人でお酒は飲まないかな( ´ ∀ ` ; )

梨乃たちや和果さん達と外で飲むことが多い。

でも、外で飲んで帰りが遅くなっても怒る人がいないのは気が楽かな。

「松本さんは、どういうお酒飲むの?」

『フルーツサワー系が多いです。櫻井さんは?』

「可愛いの飲むんだね!俺?俺は、レモンサワーが多いかな。」

『そうなんですね!1人で飲むことが多いんですか?』

「いや?姉と一緒に飲むよ。俺、実家にいるから。」

『お姉さんと?!』

私、お姉ちゃんとお酒飲み交わしたことないかも。

「姉は、松本さんみたいなお酒かビールよく飲むよ。」

『そうなんですね!』

「松本さん、姉と気が合いそうだね!」

櫻井さんが実家暮らしなの意外かも。

「松本さんは、車で遠出とかしないの?」

『友達と映画観に行ったり、隣県に遊びに行ったりします(*^^*)』

「おっ、いいね!どっちも1~2時間くらいかかるよね?」

『そうですね。でも、楽しいです!途中でコンビニ寄ったり、運転交代したりするので。』

「楽しそー!」

意外とそんなに考えなくても会話って続くものなのね。

『櫻井さんは、お友達とお出掛けしないんですか?』

「俺?たまーに、悠太と出掛けるよ。夏〜秋は、たまにツーリングする。」

『ツーリングですか!格好良いですね✨』

私は、バイク乗れないから、すごく格好良いと思う!

お姉ちゃんも大学時代はよくバイクで一人旅してたなー。

「今度、バイクの後ろ乗ってみる?(笑)」

『捕まりたくないので、遠慮しときます(笑)』

「真面目だなー。松本さんって、夜遊びしたことある?」

夜遊び?

夜に遊びに行くってことよね?

『ないです。』

大学生の頃、バイト終わりに友達とゲームセンターに行ったことはあるけど、遅くない時間に帰ってたなー。

朝帰りも夜遅くに帰ることも全然なかった。

「えっ?!学生時代、学校終わりとかバイト終わってからゲーセンとか行かなかった?!」

『行きました。でも、そんなに長居はしなかったかな。』

「え〜?!じゃあ、朝帰りとかなかったんだ?」

『なかった。急にお泊まりすることはあったけど、ちゃんと連絡してました。』

「こまちちゃんって真面目だね!いい子すぎない?!」

そんなことないと思う。

私の周りがそういう子が多かったのか、それが当たり前だと思ってた。

もちろん、学校をサボったことも1度もないし、無断外泊もしたことない。

でも、青春真っ只中の10代で1回くらい経験したかったかも。って思うけど(笑)

『そんなことないですよ!櫻井さんが男性だからお母さん達もあまり心配してなかったんじゃないですか?』

「あー、それもあるかもねー。じゃあ、1回休憩!」

スマホを見ると、梨乃と菜月と華音からLINEが来てる。

梨乃と菜月は、デートどう?って言う内容。

華音は、今度のお休みにランチ行かない?というお誘いだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る