第2話

彼と別れ家に帰ってすぐ洗面所へ向かう顔に冷たい水を当て鏡を見る。顔が真っ赤だ。


絶対に一人にしない


あんなの告白と同義じゃないか、我ながらチョロいなとか、それをさらっと言ってのける彼は何者なんだろうか。そんなことを考えながら自分の部屋へ戻る。今まで辛かった学校帰りがこんなにも楽しい時間になったのは彼のおかげだ感謝しかない。


ベッドに横になりスマホを開くさっき追加されたばかりの彼とのトーク画面を開くなんて送ろうか迷っているとスマホが震えた。

彼からメッセージが届いたのだ。



明日の話だけど学校なんて休んでいいと思うんだ。ほんとに辛いなら。親への説明だって一緒に考えるよ。


優しい


返信をする


学校は休みたくないんだ。だから休み時間とか話しかけに来てくれると嬉しいな。


俺でよければ全然いいよ


クラスで孤立した私と話せば彼も巻き込まれるかもしれないのにほんとに助けてくれるつもりなのだろう。


じゃあ明日朝私の家の前に来てね


わかった


次の日彼は私の家の前で待っていた。


「こんな時間に出るなんて早いね」

彼は言う

「私に合わせてくれてありがとう」

「いいよそんぐらい」


学校には誰もいない


後二十分もすれば来るだろうけど今は先生たち以外誰もいない


私は言う


「今日午後うちに来て欲しいんだ」

彼はギョッとして

「な、なんで」

「ちょっと見て欲しいものがあって」

「わ、わかった」


生徒が登校してきた。


その生徒は私たちを見て驚いた顔をしたがすぐにいつも通りになる関わりたくないんだろうなと思う。彼も気付いたとは思うがまるで気にしてないかのように話を続けている。

やがて授業も始まり

彼は席に戻る


それの後も何事も無く放課後になった。

「家寄る前に一旦帰る?」

「うんそうさせてもらう着替えてから行くよ」

「わかった私も着替えるね」

三十分後チャイムがなる

鍵開けといたよ〜と言うと扉の音が聞こえ玄関に彼が立っていた。階段を降りる途中彼は顔を背けた。


「なんで目合わせてくれないの」

「その格好はまずい流石に見れない」

「なんでよただの部屋着じゃない」

「うんまあそうなんだけどね」


別にただの服のはずなのだけれど


「まあいいや上がって、二階に私の部屋あるから適当に座って待ってて」

「え、リビングじゃないの」

「なんでよ見せたいものがあるって言ったじゃない」

「わ、わかった」


彼が階段を登ったのを確認しキッチンへ向かう来客用のコップにお茶を注ぎ階段をのぼりながらこれから彼に伝えることをもう一度確認する。覚悟は決めたこれでダメなら諦めて元の生活に戻るだけだ。


意を決して部屋の扉を開く。

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