第3話
彼女に家へ誘われた。
放課後、彼女も着替えると言っていたので少し時間を開けて家を出た。
チャイムを鳴らすと
遠くから
「鍵開けといたよー」
と聞こえたので扉を開け玄関で待っていると彼女が階段をパタパタと降りてきた。咄嗟に目をそらす。流石モデルをやっているだけあってスタイルがいい、いや良すぎる。女性経験ゼロにはきつい。
彼女は二階に自分の部屋があるからそこで待っていてと言われた。
流石に入りづらいが待ってろと言われたので意を決して入る。とても可愛らしいまさに女子の部屋って感じだ。座りづらかったので扉の横でたって待っていると、扉が開く
「な、なんでそんなとこでたってるの?」
「座りづらくてさ」
「別にいいのに、じゃあそこの座布団座っていいよ」
「わかった、それで話ってなんだ?」
「えっと色々話したいことがあるんだけどね」
対面に座った彼女が言う。
それから色々教えてくれた、
この前聞けなかった深い部分まで。
途中彼女は涙を流していたがそれでも止めずに聞き続けた。
そして言った。
ほんとに辛くなったのは高校一年の六月頃だという、その頃から本格的に自殺を考え出したという。今までも無視されたりしても大丈夫だったがその頃急にクラスの女子に絡まれるようになったらしい。それはクラスの人が知らないであろうイジメの数々だった。俺も知らなかった。まさかそこまで酷いことになっているとは。
「ごめんあの頃助けられなくて」
「全然いいの今助けてくれたし、尚且つ誰にも助けを求められない私がダメなの」
「そんなことないよ、クラスは傍観者しかいなかったし」
「ありがとう」
そろそろ本題に入るね、と彼女は言う
すると突然服のボタンに手をかけ外し出した。
「ま、まだは、は、早いんじゃないかな」
「何が?」
「なんでボタンを外してるんだ」
「見せたいものがあるって言ったじゃない」
「なぜ服の中にあるんだよ」
「はいこれが見せたいもの」
「見なきゃダメなの?君は恥ずかしくないの?」
「別に大丈夫だけど、見てくれないの」
「わかった見る通報するなよ?」
薄目で見てみる白い肌と下着が見えたが俺はそれ以外の部分、腕を見ていた、というかそれしか目に入らなかった、腕には
たくさんの傷があった、切り傷だ。
そうリスカの跡だ。
思えば彼女はいつでも長袖だ、夏でも制服の上にカーディガンを絶対来ていたし半袖の姿を見た事がない、これを隠すためだったのかと納得した。
「これが見せたいもの?」
俺は言う
「うん、やっぱり見せた方がいいかなって、気持ち悪かったら大丈夫だからごめんね急に」
不安そうな顔をしている。
俺は自分の頬を叩く。
「え、だ、大丈夫?」
何不安な顔をさせてるんだ。絶対にあんな顔にはさせないと誓ったのに。
「ごめん、大丈夫だよ」
「良かった」
「その傷は自分でやったの?」
「うん」
「まだやってるの?」
「あの屋上以降はやってない」
こんなにも痛々しい彼女を見るのは辛かったが、助けると決めたのだ絶対に目をそらさない。
「気持ち悪くなんかないよ、君がそこまで俺を信用してくれてるのが嬉しくてさ」
「ありがとう、今まで誰にも見せてないからさ不安だったんだ」
「親も知らないの?」
「うん親に心配かけたくないし」
「わかった誰にも言わないよ」
「もう絶対やっちゃダメだよ君が傷付くのは見たくない」
「もう、やんないよ」
「これからも離れないで友達でいてくれる?」
「もちろんそんなんで離れるわけないだろ、あと服を着な、風邪ひくよ」
「うん」
さっきの不安そうな顔は消えていた
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