新たな部隊と舞台 Ⅱ
北暦290年
ケプラー日時 11月23日 17:14
太陽系全宙域防衛戦線 第42艦隊管轄 作戦宙域
「――本艦より約1460km先。ワームホール及びアポロン級 DD搭載駆逐艦 20番艦 リノス 、同じくDD搭載巡洋艦 27番艦 ガラマスを確認!」
2隻だけ?まさか
「
連携の取れる
「ヴィジランスレッド発令!」
「Copy――」
『ヴィジランスレッド発令。ヴィジランスレッド。パイロット各員、搭乗機にて待機せよ。繰り返す――』
「戦闘中の第42艦隊の各艦へ緊急伝達!」
「既に伝達済みですが、反応がありません」
「お、ん?……もしかして完全独立部隊の存在をまだ知らないのか?」
司令部からは既に共有済みだと報告があったのに……
「緊急伝達を続けろ!このままだと第42艦隊は全滅だ」
『DD1番機ヴィナミス 起動を確認。第2気密シャッター閉鎖。左舷リニアカタパルトへ固定。続いて、DD3番機エクスィー 起動を確認。右舷リニアカタパルトへ固定。発進スタンバイ』
第42艦隊と連携を取れていない今、こちらの主砲は小型
小型の
「最大戦速。自動砲座並びに対
ブリッジで指示を出しつつ、アストは艦長席から先行させる2人のDDパイロットへ通信を繋ぐ。
「言っても無駄だろうが、援軍が来るまでの時間稼ぎだと思え、無理な応戦はするな」
『問題ない。艦長こそ
『アスト艦長もしかして、あたし達の心配してくれてるの?!うれしぃ〜!』
「アーシア茶化すな!お前はリノスに接近して直接通信を繋げ、独立部隊の情報が伝わっていないお陰で、見向きもされていない。こちらの情報を直接伝達してくれ!」
『了解しました!』
『両舷リニアカタパルトハッチ開放します。――リニアカタパルト音声認識接続。発進どうぞ』
「了解――ヴィナミス。リリア・ソコロフ、援護へ向かう」
「了解っ!――エクスィー。アーシア・アリーチェ、行きます!」
「続いて左舷ハンガー、Dコンテナ開放。DDとのドッキングを開始」
――"
メインエンジン/コンタクト――
AI D/起動――ヴィジランスレッド感知。
メインモニター/オンライン――
姿勢制御システム/オンライン――
ウェポンシステム/オンライン――
登録母艦 U275B-AR-5――アルキオネ 通信接続
「おーるくりあ」
『"DD4番機イヴサ アセンド" 起動を確認。左舷リニアカタパルトへ固定。発進スタンバイ』
第42艦隊 アポロン級 DD搭載駆逐艦 20番艦リノス ブリッジ内
「トーマス艦長!このままではDD部隊も全滅します!」
「わかっている!!」
今回の
突然
「対
四方八方に散布されたデコイフレアに数十体の
その時、リノス所属のDD部隊ではない機影をレーダーが捉え、見慣れない2機の機体情報が表示された。
型式番号:
識別名:エクスィー
U:宇宙連合軍正式採用
F:第1世代
P:
G:グレートフォールズ社製
014:開発ナンバー
FM:Fast Model(初期型)
型式番号:
識別名:ヴィナミス
U:宇宙連合軍正式採用
S:第2世代
P:
G:グレートフォールズ社製
005 :開発ナンバー
LM:Late Model(後期型)
「後方より接近する機影。2機のDDを確認しました!」
「援護の艦隊か!?――それにしては早いが、助かった!どこの所属機だ!?」
「それが……レーダーの詳細には宇宙連合軍正式採用の表記はありますが……所属艦隊番号が抹消されています」
まさか、噂の賊じゃあるまいな?こんな時に!!
『……きこ……すか?……リノス応答してください!』
リノスの通信士がノイズ交じりの通信音を拾う
「接近するDDから直接通信です!」
「なんだと?――だが、状況が状況だ。さっさと繋げぃ!」
「Copy!――こちら第42艦隊 アポロン級 DD搭載駆逐艦 20番艦リノス 所属不明機応答せよ」
アーシアは機体を戦艦の傍へ寄せ、停止する。
『私たちは宇宙連合軍、"完全独立部隊アサナトス"。"元"第3艦隊所属 アルテミス級 5番艦 アルキオネ 搭載DD3番機エクスィーです!援護します!』
第3艦隊の機体がなぜここに!?
「戦艦、機体共に照合一致しました!」
「今は信じるしかあるまい!――援護に感謝する!」
『
数体の
先頭の個体は口部をX状にガパァと開き、
アーシア・アリーチェの駆るDDエクスィーは恐れることなくリノスと
「はーい、いらっしゃいませ~!」
光子で輝く
ガコン!!とブローバックし巨大な薬莢が排莢される。
ド真ん中に命中した弾丸が中途半端に収束された光子を拡散させ、奴らの特殊な血液に引火すると、先頭の小型
粉々になったその爆煙を気に掛ける素振りもなく無数の
その様子を見たアーシアはさらに
そして腰部にマウントされている
若い女性を思わせる通信音声からは考えられないほど、場慣れした落ち着いた立ち回り。凄腕のパイロットなのだろうか?
「だが、"あれ"を伝えねば、あの2隻の二の舞になる!アルキオネと通信を繋げ!」
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