第17話 黒魔術師の影

 平和が戻りつつあるエルヴィナの町で、新たな脅威がその影を落とし始めていた。


 未知の黒魔術師の暗躍により、不穏な噂が町中に広がる。



 ある夕暮れ、リナとミナは町の広場で耳にした噂について話し合っていた。


「ミナ、町の人たちが話していること聞いた?」


 リナが心配そうに尋ねる。彼女の顔には不安の色が浮かんでいた。



「ええ、黒魔術師が現れたとか、不可解な現象が起こっているって?」


 ミナが答え、眉をひそめる。


 彼女の声には疑問と警戒が混ざっていた。



 二人は町の人々の間でささやかれる話を集めるため、広場を歩き始める。


「本当に黒魔術師なのかしら?」


 リナが小声でミナに尋ねる。



 そのとき、彼女たちの前に老婆が現れ、


「若いの、気をつけなされ。黒魔術師はただの噂じゃない。夜になると影が動き出すのよ」


 と不気味に話す。


 老婆の目は恐怖に満ちており、リナとミナはその言葉に背筋が凍る感覚が走った。



「ありがとうございます。私たち、調べてみます」


 とミナが老婆に感謝を述べる。


 二人は老婆から離れ、町の外れに向かう決意をした。




 夜が深まるにつれ、二人は町の外れで奇妙な光景を目撃する。


 暗闇の中で、不自然な影が蠢いていた。


「あれが、黒魔術師の仕業かもしれないわね」


 とミナが指摘する。


 リナは魔法の光を手にし、暗闇を照らす。




「ここにいるのか! 黒魔術師!」


 リナが大声で呼びかけるが、返事はない。


 しかし、二人は明らかに何者かの気配を感じ取っていた。




「リナ、注意して。これからが本当の試練よ」


 とミナが言い、二人は手を取り合い、未知の脅威に立ち向かう覚悟を固める。




 この夜から、リナとミナは黒魔術師の正体を暴くための調査を開始した。


 エルヴィナの平和を守るため、彼女たちは再び困難に立ち向かうことになっていく。


 未知の黒魔術師による暗躍は、エルヴィナに新たな試練をもたらしていたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る