第8話 初戦
エルヴィナの軍は、敵軍との初戦に臨む日が来た。
戦場は緊張で張り詰め、兵士たちは命令を待っていた。
リナとミナは、特別な魔法部隊として、この戦いで初めて魔法の力を戦争で使うことになる。
「リナ、緊張してる?」
ミナがリナの横顔を見ながら小声で尋ねる。
リナは深呼吸をして、
「少し…でも、大丈夫。ミナがいるから」
と微笑み返す。彼女の目は決意に満ちていた。
ジェラルド将軍が二人のもとにやってきて、
「準備はいいか?君たちの魔法が今日、エルヴィナの運命を左右する」
と話す。
彼の顔には、戦いへの重圧が見て取れたが、同時に二人への信頼も感じられた。
「はい、将軍。私たちは準備万端です」
とミナが答えると、リナも
「エルヴィナのためなら、何でもします」
と力強く言った。
戦闘が始まると、リナとミナは部隊と共に前線に立つ。
敵軍の進軍は激しく、エルヴィナの兵士たちは懸命に防戦する。
リナは前線の兵士たちに癒しの魔法を施し、ミナは敵を撃退するための攻撃魔法を次々と放つ。
「リナ、左側にも敵が!」
ミナが叫ぶと、リナはすぐさま方向を変え、癒しの魔法を展開する。
その光は戦場に温もりをもたらし、傷ついた兵士たちの痛みを和らげた。
一方、ミナは敵軍に向かって大きな火球を放つ。
その火球は敵陣を貫き、進軍を一時的に止めることに成功した。
「これでどうだ!」
ミナが戦いの興奮に目を輝かせる。
戦闘の最中、リナは一瞬の隙を見て、ミナのもとへ駆け寄った。
「ミナ、少しは楽になったかしら?」
リナが心配そうに尋ねる。
「うん、ありがとう、リナ。君のおかげでずいぶん助かってるよ」
とミナが笑顔で答える。
戦いが一段落すると、ジェラルド将軍は二人を見て頷き、
「素晴らしい仕事だった。君たちのおかげで、この戦いを乗り切ることができた」
と感謝の言葉をかける。
リナとミナは互いを見つめ合い、安堵の息をつく。
初戦は成功し、彼女たちは自分たちの力がエルヴィナを守るために役立つことを実感した。
しかし、この戦いはまだ始まったばかりであり、二人はこれからもエルヴィナの平和を守るために戦い続けることを誓ったのだった。
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