お役所と合法的にバトルして、正しく勝つ方法
たけや屋
【1話完結短編】お役所と合法的にバトルして、正しく勝つ方法
かつてハヤ○ワ文庫に『マジカルランド』というアメリカの小説シリーズがありました。
アメリカンジョークをふんだんに盛り込んだファンタジー作品です。
コンスタントに発売される新刊を、毎回楽しみにしていたものです。
ところがこのマジカルランドシリーズ、あるときを境にふと発刊が途切れてしまうのです。時は00年代前半。ネット社会もまだまだ未成熟で、アメリカ人作家について入ってくる情報はごくわずか。
「どうしたんだろう。病気なのかな……」
そんなことを思いながら時は過ぎていきました。
そして数年後のとある日、書店にマジカルランドシリーズの新刊が並んでいるのを発見したのです。
わくわくしながら家に帰り、さっそく読了。そしてあとがきを読むと、そこには著者ロバート・アスプリンの活動休止理由が書かれていたのです。
なんと、権利関係の裁判で長年バトルしていたのだとか!
それについては詳しくを書きません。ただ、作者も現代社会に生きるひとりの人間であり、敵も悩みもあるのだと強く印象付けられたものです。
このシリーズは、今も全巻とってあります。途切れることなく繰り出される、ひねりのきいたジョークの数々。自分はこの作品で【
面白いので皆もぜひ読もう!
◆ ◆ ◆
話は変わって……。
そしてまあ、有名作家と比べるのはあまりにも
役所から
まあ、マジカルランドシリーズの作者と比べれば随分バトルの規模がショボいのですが。
こちらについても詳細は書けません。
身バレなんかもありますからね。
ネット社会で身バレほど怖いものはありませんからね。
ともあれそれはひとまず決着がつき、こちらの要望が全面的に正しいという形に落ち着きました。
まあこちらは最初っから最後まで至って常識的な要件しか述べておらず、相手の役所側は法的にアウトな無茶ばかりしていたわけですので、こりゃ当然の結果なのですが。
「その言い訳はちょっと無理が過ぎないか?」
「周りに一般市民が多数いる中でそれ言う?」
「ちょっと前、そちらと同じ主張をした○○○は全面敗訴したってニュース見ませんでした?」
などなど。相手と対応中の自分は、常に頭の上に無数の【?】マークが浮かんでいたことでしょう。あまりにも理不尽な目に
とまあご無体な要求が通るわけもなく、出るとこ出る前にこちらの勝利が確定したのは当然の成り行きでしたとさ。実に不毛な時間でした。
だって普通なら、
「これお願いします」
「はい。できました」
で終わるはずだったんですから。
俗に、このような
ふつーに過ごしていれば何の問題もなく当たり前に処理されていく日常の出来事が、余分な
ほら、世間にはありますよね。
ダフ屋とか。
転売屋とか。
みかじめ料とか。
法律よりエラいとされる地元の顔役とか。
なぜか公道に設置されている私設料金所とか。
組織内にはびこる
社長より偉そうにしている、天下りの役員たちとか。
などなど、そういう迷惑千万な者たちが世の中には存在しているのです。
そういった
そしてそれに
んでもって運悪く目を付けられてしまうと——。
とたんに、日常生活はギシギシと
日本は基本的に法治国家です。世界的に見ても非常に平和で秩序が保たれている国でしょう。ですが、時にとんでもない組織的な不正が暴かれる——というのもまたたしか。
近年話題のビッ○モーターとかジャ▲ーズ事務所とか。はたまた身近な政治家・省庁・役所の不祥事とか。
そんなワケで
ただ本を読む・美術館に行くなどの【インプット】くらいはできたのですが、しかし無から有を産み出す
創作活動というものが
◆ ◆ ◆
夏バテで食欲がなくて身体はふらふら。
役所とのバトルで精神的にもふらふら。
無意味なやりとりが延々と続いたおかげで虚無感どっぷり。
という状況に追い込まれ、世の無常を存分に味わった去年後半。
勝つのがわかりきっている戦いを、長々と続けることに何の意味があるんだ……。
無駄な争いは真の意味で人生の
戦いのあとは勝者も敗者もただ
人生とは、社会とはいったい……。
うごご……。
みたいな心理状況に追い込まれた2023年の夏〜年の瀬でしたとさ。
人間、休みたいときもあります。休めないこともあります。たとえばどんなに疲弊していても、日々の食事を欠かすわけにはいかないように。買い物やゴミ出し、入浴なども疎かにはできません。
前記のように『100%無駄なこと』に人生のリソースを吸い取られてしまうと、それだけでもうヘロヘロで、もはや必要最低限な日常生活を送るだけでぐったりしてしまうものです。それ以上のことをする精神的余裕が尽き果ててしまうのです。
今では精神状態も平常に戻りつつあり、近いうちに更新も再開できるでしょう。
どうぞよろしく。
◆ ◆ ◆
お役所社会は事前の根回しこそが全てです。
こちらの根回しがきっちりハマった時点で勝敗は決したも同然。
ここらでひとつ、この文章を読んだ誰かが役所とバトルするときのアドバイスを。
正直、警察はアテになりません。
役所側がよほど“誰の目にも明らかな超絶違法行為”を市民の目の前で行っていない限り、警察は役所に介入してくれません。
(一時期話題になった、いわゆる“私人逮捕”ができる要件を余裕で満たしているくらい、役所側が不正の証拠丸出しのままでいてくれない限り無理)
警察もまた役所のひとつでしかありませんからね。縄張りが違うのです。
役所とのバトルで役に立つのは証拠です。
役人とはその性質上、
だから(録音などで)証拠を取っておくのです。
証拠は対役人の
(ちなみに手に入れた証拠を警察に持ち込んでも、やはり大してアテになりません)
んでもって“相手が嘘をついたという証拠”をある程度集めた段階で『情報開示請求』するのです。
一般企業などとは違い、役所は情報開示請求を拒めません。開示請求は誰でもできます。やり方も役所の(不正をした部署とは別の)窓口で教えてくれます。お金も大してかかりません(自分の場合は1000円以下)。
情報開示請求すれば必ず公文書が出てきます。
そのまま出てくれば(普通出てきます)、相手がついた嘘との整合性がとれずこちらの勝ち。
それを誤魔化すために開示する資料を相手が改ざんしたら、その矛盾点を突いてこちらの勝ち(おそらくここまでやるヤツは滅多にいない)。
このように、役所と戦う上で情報開示請求はまさに必殺技なのです。ただしあまりにもこれを乱発しては業務妨害と受け取られかねないので、1回か、せいぜい2回くらいに留めておきましょう。
そしてなにより、役所とのバトルにおいて最も頼りになる
警察が介入できない役所において、弁護士の戦闘力はあまりにも絶大。
一般市民が役所に要望をしても
(悲しいですがこれらは全て社会の現実です。日本社会はこういう価値観の元に動いています)
事が不当行為なら話はもっと簡単です。
当初相手がどんなに勝ち誇っていようとも、行為の証拠さえ押さえておけば、あとはオートバトルかのごとく勝負が決まっていきます。
弁護士を頼る場合は、まず自治体でたまに開催している無料相談や、30分5000円とかの有料相談を利用しましょう。お金が有り余っているなら初手(しょて)でのガチ依頼も有効ですが。
無料相談や30分相談のときも、かならず相手の名刺を受け取っておきましょう。たとえ本格的な依頼に至らなくてもOKです。役所の窓口でその名刺をスッ……と差し出すだけで効果はばつぐんだ。
役所において弁護士の名刺はマジックアイテムに等しい威力を発揮します。それだけで必ずや交渉が有利に進むことでしょう。
情報開示請求・弁護士——これらの複合技を駆使すれば役所との戦いは非常に優位に進むことでしょう。ぜひお試しあれ(そんなトラブルに巻き込まれないのが一番なのですが)。
ちなみに、政治家はあまりアテになりません。まあ親族や友人が有力政治家だというのならばその効果は天井知らずなのでしょうが。一般人には縁のない話でございますれば。
たとえこちらが役所とのバトルに勝ったとしても、だいたいの役所内不正行為は役所内でもみ消されてそれで終わりです。全国ニュースにまでなるのはよほどの重大案件だけでしょう。日本組織の秩序はおおむねこうして
以上、去年後半の無駄な経験が全くの無駄にならないよう、このようなエッセイを書きました。完全なる虚無経験などネタにしなきゃやってられねーのです。
◆ ◆ ◆
最後に。
このような経験をした上でふと脳裏をよぎったことといえば……。
離婚騒動を抱えながら毎週毎週ギャグ漫画を描き続けていた
参考文献
法テラス公式ホームページ
地元自治体の公式ホームページ
(皆さん1度は地元自治体のページに目を通しておいた方がいいですよ。なかなか侮れない情報が眠っています。まあ欲しい情報にたどり着くのが大変だってハナシなのですが)
お役所と合法的にバトルして、正しく勝つ方法 たけや屋 @TAKEYAYA
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