第10話 藤井世代の憂鬱を描いた作品『目の前の神様』が素敵
こんにちは、真野てんです。
今回も自分がいま更新を楽しみにしている配信漫画の話になるんですが、少年ジャンプ+で読むことが出来る『目の前の神様』という将棋を題材にした作品になります。
将棋漫画というと昔からある一定数、メジャーなタイトルが出現するものなのですが、たとえば『月下の棋士』だったり『三月のライオン』だったり。
現在は空前の将棋ブーム――というよりは藤井聡太八冠のブームなので、マイナーなものまで数えるとかなりの将棋漫画が存在します。
また先頃アニメ化された際の主演声優さん同士がご結婚されたことでも話題になりました原作ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』では、かなり以前から作者である白鳥士郎先生の愛あるボヤキがたびたび取り沙汰されました。
曰く『創作が現実に超えられた』であるとか『一昔前なら編集にボツにされている』など、藤井聡太八冠の尋常ならざる才能を賛美するネタとして、界隈でも定着しつつあります。
なので今ならば現実で人外の主人公ムーブをしている藤井八冠や野球で言えば大谷翔平選手を主人公に据えたヒロイックな物語を作っても頭ごなしに否定されないはずのところ、今回ご紹介する『目の前の神様』は、いわゆる藤井くん以外の藤井世代に焦点を当てた、本来であれば自分たちも天才と称されるほどの実力があるにも関わらず、運悪く『同世代にバケモノみたいに強い棋士がいる』現役棋士の物語になっており、俺TUEEEE~からひとつ殻を破った新しい試みを感じました。
現実でもそうなのですが、藤井八冠の存在というのは将棋界にとっての福音でもあり、またとんでもない呪いでもあるのです。
かつての羽生善治九段が当時の全タイトルを奪取し七冠を達成した時でさえ、勝ったり負けたりと対局の機微を見せたものですが、藤井八冠に関しては防衛戦でも負けなしで獲ったタイトルをまだ一度も失冠していないというバケモノぶり。
まさに対抗馬がいない一強状態になっているのが現状です。
そうなれば「ほかの棋士たちは弱いのか」「藤井に勝つ気概はないのか、たるんどる」など、厳しい声が挙がるのは当然のことだと思います。
ですが藤井八冠に敗北を続けている棋士たちの多くは、まぎれもない天才たちの集団なのです。
そんな彼らにスポットを当てた『目の前の神様』という作品。
まだまだ始まったばかりですので、すぐ追い付けます。将棋が分からなくても読めますので、気負わなくてもいいのが良いです。
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