第三章 クラン編

第41話 長野県


 ようやくダンジョンのことが終わった。

 長い戦いだったのでゆっくりしたいな。

 と、ホテルに篭って三日経った。

 はぁ、俺はこのゆっくりした時間が好きだな。

 コーヒーを飲みながらテレビを観ていると、自衛隊が募集をしていた。

「まぁ、こんな世の中だから少しでも人が欲しいよな」

 モンスターと戦うのは何も冒険者だけじゃないからな。どっちかと言うと自衛隊の方が活躍しているだろう。

 鬼の森はだいぶ森に侵食されているようだな。多分俺のアパートももう住めないだろう。人気の動画サイトでは『鬼の森に行ってみた!』などが人気になっているくらいだからな。

 SPの活用法もいろいろと動画に出ているな。

 聖教国はSPを使って耐熱を取ったらしく何とか自国で動けるようになっているらしい、流石に色々と助けてもらったので小さくなっているようだがな。

 王国はロシア連邦、帝国はアメリカ合衆国に取り込まれた形だが、それでいいと思う。


 あとは他の人たちだな。

 仕事に活かせる怪力や俊足、鑑定なども人気らしいし、

 回復魔法を取るためのツアーなどもやっているようだ。

 パワーレベリングによるレベル上げだな。

 うまいこと商売に繋げるな。


 桐生院グループもギルドと提携して色々とやってるみたいだ。まずは魔石エネルギーによる問題解決だな。電気を賄えないかと今は奮闘しているようだなぁ。

 あとはクランを立ち上げたようだ。

 カオルやアル達が率先しているらしい。

 まぁ、中堅以上だから問題なくクランは人員を増やしているみたいだ。


「はぁ、そろそろ電話しないとな」

「もしもし」

『やっと終わったのね!』

「あぁ、やっと終わったよ」

『今どこ?』

「東京」

『長野にみんないるから、落内に迎えにいかせるわ!』

「了解」

 と言うことでなんとかなるようだから俺は待つだけだな。

 東京でしか買えないものはないが、買い出しをして収納に入れておく、食料はあっても困らないからな。

 ほかにはまたテレビとゲーム機も買っておく。ドラゴン達に好評だったからなぁ。

 ソファーなんかも買っておけば後はいいだろう。

 もう年の瀬だ。もうすぐ今年が終わるな。


 さーて、あとは落内を待つばかりか、とホテルに戻りうたた寝していると電話が鳴り、

『おら、迎えに来てやったぞ!』

「あぁ、今出る」

 ホテルをチェックアウトして外に止めてある車に乗り込むと、

「おかえり!」

「カオルも来てたのか、ただいま」

「んじゃ帰るぞー」

「はーい」

 まぁ、長野まではそこまで時間はかからないが長野のどこなんだ?

「今住んでる市はどこなんだ?」

「長野市だよ、まぁ、家は小さくなったけど快適」

「そうか、みんなも元気にやってるか?」

「うん!みんな狩りに出かけたり、特訓したり」

「そ、それは女の子がやることじゃ」

「今の時代でそれは古いよ?女だってレベル上げなきゃ!」

「まぁそうだろうがな」

 凄い時代になったなぁ。

「鬼の森に行くのか?」

「そうだよ?」

「最近鬼の森はどうなんだ?」

「んー、まぁ、オーガはこっちまで出て来ないね、ゴブリンとかウルフ、ボア系だね」

「へぇ、なら問題なさそうだな」

「お父さんが魔石が無いって言ってたよ?」

「あぁ、魔石ならあるから問題ないぞ?」

「さすがダンジョンを回って来ただけあるね!」

 まぁ、アメリカにだいぶ持ってかれたけどな。

 それでもまだあるから大丈夫、足りなければまた取りに行けばいいしな。

 とようやく長野に入ったみたいだな。

「ここから高速だ、高速も今は使えるところは使ってるからな」

「そうか、長野は高速が使えるのか?」

「まぁな、東京はもうダメみたいだがな」

「千葉の方なんかもう住めないみたいね」

「日本海が無くなったからそっちに移す計画らしいぞ」

「新東京とかか?凄い計画だな」

「まあ、森に侵食されて言ってるからしょうがない」

「そうか、これから日本も変わって行くな」

「世界が変わって行くの間違いだろ?」

「そうだな」

 話をしていると早いな、長野市に入るとそれなりに栄えてるな。


「ようこそ長野へ!」

「はいはい」

「ぶー、せっかく歓迎したのに!」

「分かったよ、それより家はどこなんだ」

「ククッ、まぁ少し外れになるがもうすぐだ」

「おっ!もしかしてあれか?」

「まぁわかるわな」

 でっかい門が見える和風建築の大豪邸が建っている。

 そして横にはでかいビルが建っている。


「到着だ!」

「よっし!ほい、降りた降りた!」

「お、おう」

 と外に出てみるとまたでかい門だな。

「おかえりぃー!」

「おう、ミオ、レイナ、ただいま」

 抱きついてくる2人を受け止めると、

「おかえりなさいませ」

「ミレイさんもただいま戻りました」

「はい」

 やっと日常に戻って来た気がするな。

「桐生院が中でお待ちです」

「はい!」

 門の横の通用門から中に入り、中はそれなりに前と変わらない感じだな。

 これで小さくなったのか?

「面積的に少しだけ小さくなりましたよ?」

「うぉ!考えてることがわかるようになったんですか?」

「いえ、顔に出てらっしゃいました」

「ハハッ、そうですか」

 と家の中に入る。

 中もあまり変わらないな。

「どうぞお入りください」

「どうも」

 と中に入って行くと桐生院が座っていた。

「おう、ようやく帰って来たな」

「はい、戻るのが遅くなりましたね」

「いや、それだけのことをして来たのだろう?」

「まぁ、そうですね」

「そうだ、喫緊でお願いしたいことは」

「はい、魔石ですね」

 とマジックボックスを出して、魔石を入れて行く。

「分かってくれていて何よりだ」

「まぁ、車で聞きましたから」

 と中身がパンパンになったので2個目に突入すると1個目は運ばれていった。

「ほう、さすがだな」

「あはは、ダンジョンに潜ればこれくらいは」


 と3個目に突入する前に飯を食おうと言うことになった。

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