第36話 ティアマト
20階層、ダイヤと言うネームドのダイヤタートルだ、硬そうなので雷魔法で攻撃した後首が伸びてたので斬り落とすと消滅した。
ドロップはダイヤの槍と盾、魔石だ。
金の宝箱にはスキルボールで上級体術と上級弓術だった。
こんないいものが入ってるなんてな!
30階層、スペードと言う黒いオーガのナイトが出てきた、持っているのは槍か。
あまり時間をかけたくないので雷魔法を使う!「サンダーインパクト!」
痺れた相手の首を狩ると消滅して、黒鬼槍と黒鬼鎧と魔石だった。まぁまぁ使えそうだな。金の宝箱には土の魔導書と氷の魔導書が入っていた。
35階層で少し休む、人はここまでは来てないようだな。
40階層、ジョーカーというネームドの道化師が相手だ。やはり前の道化師と一緒で切り裂いても増えるし、攻撃も読めないからこちらも怪我をするが、
「お前が本体だ!」
と斬り捨てると消滅した。
どっちかというと攻撃に消極的な方が本体だった。一か八かで攻撃して良かった!
ドロップはハイクラウンダガーが二振りに魔石。
金の宝箱からはスキルボールの忍者だ。職業のスキルボールは2個めだな。
50階層の扉を開けると、
「いらっしゃい」
「おぉ、今回はちゃんとしてるな、綺麗なお姉さん」
「私はティアマトと言うわ」
「俺はスズトだ」
「それではスズト」
と手のひらを出されると指輪に亀裂が入っていたので、
「リワインドリング」
指輪が元に戻った。
「あぁ、よかったわ」
「それじゃあ、これが食い物だ」
「まぁありがとう!」
収納にいれると、
「あっちにコンセントが置いてあるわ」
「分かったよ」
と電気屋も真っ青なくらい手早く設置していく。
ソフトも置いておいて、これで大丈夫だろ。
「ソファーにテレビ台もいるか?」
「あるなら欲しいわ」
「ならつけてやる」
とテレビ台とソファーを置くとそこに座ってゲームのスイッチを押す。
「ウフフ、楽しそうですね」
「あぁ、まだ、みんな楽しく遊んでるな」
「それでは私の加護も与えましょう」
「そう言えば加護って何なんだ?」
「まぁ時がくればわかりますよ」
「そうなのか。他にわからないことは?」
んー、と考える仕草まで綺麗な女だがドラゴンである。
「大丈夫です。行ってらっしゃい!」
「ありがとう!それじゃあな!」
「はい」
と言って転移石に触り、外に出る。
「よお、待ってたぜ!」
「おう。ジョセフ達は…また待機だな」
「そりゃねえぜ!ここじゃ食い物さえ買えねえじゃねえかよ!」
「とそうだったな、だが今のベネズエラはスーパーインフレだ」
紙幣に価値がないのだからしょうがないよな。95%が貧困だとネットで知ったからな。
「なんだそれ?」
「いやこっちの話だ、そうだ、俺の手を握ってくれるか?」
「「「おう」」」
転移で日本に転移した。
「うおっ!」
「な、な、」
「…」
とりあえずはここのホテルに行こう。
ホテルにチェックインして、施設をある程度教えて回る。
「こ、こんなところにいいのか?」
「待たせたんだから気にするな」
「あたい、ここ気に入ったよ!」
「あぁ、とりあえずここにいてくれれば飯も食えるしな」
「おう、世話になる」
「これだけあれば足りるだろ」
と十万円を渡す。
「ん?この紙切れは?」
「これがこっちの金だ」
「ま、マジかよ!紙だぜ?」
「まぁそうだが金だからよく考えて使ってくれよ?」
「わ、分かった!」
「じゃあとりあえず帝国に着いたら迎えに来るぞ?」
「おう!待ってるからな!」
「おう!」
とまた、ベネズエラに戻るが、ベネズエラから帝国まで行くには、結構遠いな。
とりあえずドミニカ共和国のサントドミンゴに行こう。
カラカスから飛行機でサントドミンゴに降り立つと海だったのだろうところは陸地が広がり木が生い茂っている。
帝国はこの森の奥か?
「兄ちゃんも帝国とやらを見に来たのかい?」
急に声をかけられたのでビックリしたが、
「そうだ。この森の奥にあるのか?」
「そうさ、俺の車でなら格安で連れてくぜ!」
「はぁ、ドルでいいか?」
「願ったり叶ったりだ」
「よし、任せるがつかなかったらどうなるか分かってるだろうな?」
刀をちらつかせる。
「お、おおっと、そんな物騒なものしまいなよ!ちゃんと連れてくから!」
「よし!なら乗った!」
「千ドルだ」
と前金で五百ドル渡す。
「よっしゃ!気合い入れていくぜ!」
とオンボロ車にガソリンを積んで乗り心地は良いとは言えないな。
「兄ちゃんはなんで帝国に?」
「知り合いが帝国に帰ったんでな」
「そうかい!っと、ここらは道がキツイな!」
「行ったことあるんだろ?」
「あぁ、一回だけな!なかなか険しかったぜ?」
「はぁ、まぁいいや」
着けばいいしな。
とオンボロの屋根無しのジープのような車はどんどん道を進んでいくのでどうにかなりそうだな。
途中で木が邪魔したり、モンスターが出たりしたが、三日目にようやく帝国が見れる位置になってきた。
「おう兄ちゃん!どうだ?スゲェだろ!」
「お前は…どんだけ助けたと思ってるんだよ?」
「あはは、それはいいっこなしで!」
と調子のいいこいつはボギというらしく、調子がいいと鼻歌を歌いながら車を走らせる。
「ふんフフーン!」
「道も平らになってきたな」
「そうだな!運転しやすいぜ?」
「そらよかったな」
道はまっすぐ帝国に伸びている。
「どこまでいけばいいんだい?」
「そりゃ門のとこまでだ」
門につけてくれれば文句は言わない。
「そ、それは大丈夫なのか?」
「知らんがな」
「そりゃないぜ!門が見えたとこまで!」
「なら九百ドルだな」
「くぅ、まぁそれでいいか!」
「決まりだな」
それでも結構安くこれたと思うがな。
「あ、門が見えたぞ!」
「あぁ。ここまででいいぞ」
と残りのドルを支払う。
「え?五百あるけど?」
「ここまで連れてきてくれてありがとうな」
「な、泣かねーからな!じゃあまたな!」
と泣きながら帰っていった。
「面白いやつだったな」
この旅は悪くなかったな。
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