第二章 7つのダンジョン

第18話 バドの街


「んじゃ俺は帰るぞ?」

「待て、これはどうやって食べるんじゃ?」

「チッ、こうやって中身を食べるんだ」

「お主、地が出て来ておるぞ?」

「もういいんだよ!っとに勝手に人を改造しやがって!」

 俺は普通が良かった。

「普通の人間は喜ぶと思うがのぉ」

「俺も普通の人間だ!」

「もうイクシードじゃがの?」

 こいつはちょっと調子付いてるな!

「あぁー!このファフがもうちょっと弱かったらいいのに!」

「クフフ!まぁまた来い!他の竜達にも自慢ができるわい!」

「もういい帰る!じゃーな!」

「それではの!」

 と転移石に手を当てて外に出るとようやく外の空気が吸えたな。


 今日はなんだか飲みたい気分だな。と思うと近くに酒場があったのでそこに行く。

「いらっしゃい!そこが空いてるよ!」

「ビールを!」

「お!お客さんは人間だね?こっちのお金で払うかい?」

「そうだがダメか?」

「いや、歓迎だね!円が欲しくてさ」

 と冷えたビールを出してくれるので千円渡すと、

「釣りがないよ?」

「チップだ、取っておけばいいよ」

「ありがとう!どんどん飲んでくれ!」

 と言ってツマミも頼みビールを5、6杯飲んだところで止めることにした、お会計をして外に出ると、

「酔えねーじゃねーかよ!」

 他の奴らがこっちを見てるが知ったこっちゃない!酔えない体になってしまった。

 ステータス、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 時雨涼都シグレスズト 30歳

 レベル72 種族 イクシード

 スキル 剣術極 体術極 収納 鑑定 瞬歩 上級6大魔法 上級回復魔法 生活魔法 魔力循環 魔力強化 索敵 耐性(毒、麻痺、睡眠)

 ユニーク 幸運 魔法の素質

 称号 第一討伐者

 SP 2069

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 はぁ、耐性ね、酒も少しならいいが毒になるしなぁ…って、それじゃダメだろ!

 これからファフのとこに行って変えてもらうか!

「スズト!ほら、やっぱりスズトだ」

「あ、本当だ」

「でも若返ってない?」

「髪色が変わってるわよ?」

 とカオル達だ。

「久しぶりだな、なんとか攻略して来たよ」

「ええ!じゃあ、ここは無くなるの?」

「いや、五十階層までだったがそこにドラゴンがいてな」

「「「ドラゴン!」」」

 みんなは驚き大声だ。

「まぁ、ホテルに帰ってから話すよ」

「そ、そうね」

「じゃあ、アル達も呼んで帰りましょう」

 とスマホで連絡を取る。いつのまにかスマホを渡していたようだ。


 アル達とミャーも無事に合流した。

「え、ええー!じゃあ、スズト人間じゃなくなったの?」

「そうらしいな。だから酒を飲んだが酔えない」

「そう言う問題じゃないと思うけど」

 俺にとっては大問題だ。

「ドラゴンにもそう言うのがいると聞いたことはあるな」

「そうなんだ、だからスズトはカッコよくなってしまったのか」

「そうだよ、カッコよくなってる!」

 とアル達5人の部屋で喋っている。ここが1番デカくて人が入れるからだ。

「しかしイクシードか…伝説にはいたみたいだけどほんとになるとはね」

「いたのか?」

「時の賢者がそうだったと聞いている」

「「「「「はぁ」」」」」

「それはそれは、ちょっとどころじゃないわねぇ」

「てかイクシードって何?」

「英語だと超えるとか超越する、だね」

「まぁ、合ってるよ、人間を超越してるからね」

「はぁ、そう言うことみたいだな」

 やってられないな。

「みんなは今何階層なんだ?」

「ようやく30階層のウルガノフを倒したところよ?」

「へぇ、やるねぇ、ミャーに追いついて来てるじゃないか!」

「そうね、でもウルガノフは強かったからもっとレベル上げしないと」

 とカオル達はしんみりしている。

 まぁ、他にも六つもダンジョンがあるんだ、そう焦ることはないだろうな。

「そうだ、王都か大きな街に行ってみないか?」

「あ、面白そう!」

「ここからだとバドの街か」

「大阪らへんにあるのよね?」

「地図地図!」

 衛生写真で地図を作ってあるのをミレイさんが広げると、

「ん?大阪というより兵庫辺りじゃないか?」

「そうだね」

 というわけでみんなで兵庫にあるバドの街に向かうことになったが、落内に言ってデカいショッピングモールは回ってもらう。

 いつまた俺の収納がすっからかんになるかわからないからな。

 できるだけいろんなものを収納していく。


 福岡からは車でまぁ、10時間とみて、寄り道も含めて1日あれば着くかな?


 兵庫に着いたらバドの街こっちと立て看板がしてあった。

 城壁が見えてくると車の列が出来ている。

 何かの観光施設と勘違いしてないか?


 やっと入れることになって、入って行くと『ようこそバドの街へ』と看板が立っている。

 人間が多いが獣人やエルフなどと写真を撮ってる人たちが多いな、どこかのランドみたいだな。

 まぁ、こっちは夢は売ってないけどな。


 にしてもデカい街だなぁ。


「おう、アル達じゃないか!」

「お!ティルか、こっちはどうだい?」

「同化してから凄い人だよ、でも俺らのやることは変わらないんだが、外が変わってるからなかなか稼ぎにならなくてな」

「あはは、それはしょうがないだろ?俺たちも鬼の森にいたんだから」

「げっ!マジかよ!そら災難だったな!」

「で、こっちにいるのが今の仲間のスズト、カオル、ミオ、レイナ、ミャーだ」

 と紹介される。


 アルは俺口調だから騙されるよな?な?

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