第14話 適性レベル
取り敢えずまだ着替えや食べ物はまだあるが、みんなの心が折れかかってるな。
「そろそろ上に上がるか?」
「で、でもまだ」
「リフレッシュもたまにはいいんじゃないのか?ね?ミレイさん?」
「そうですね、今回はオーガまで倒せるようになりましたし」
「…分かった、今回はそうする」
と言って荷物をまとめると、15階層を上に向かう。
10階層で石碑を見つけたので触ってみる。
「おお!ミレイさん!」
「なんですか?え?」
「え?何どうしたの?」
「これで階層移動ができるみたいですね」
「と言うことは、また10階層まで来なくていいみたいだな」
これには驚きだな、転移石と言うそうだ。
みんなで1階層に戻り外に出る。
みんな思い思いに伸びをしたりしている。
やはりダンジョンの中は閉鎖的だから肩が凝るのだろうな。
落内を呼び出してホテルに泊まる。
シングルにしてもらい久し振りに1人を満喫する。ビールを飲んでテレビをつけると会見で日本は王国と友好的であるべきである。と喋っているがまだ王国がどうなっているのかは分かっていない。
だが、流石にこのカオスな世界になってから直ぐに戦争を起こすようなバカな国はないだろう。
治療薬になりうる植物も発見され、研究が進んでいるそうだ。
将来的には癌なんかも治るだろうとのことだ。まぁ、回復魔法で上級まで使えれば手足の欠損なんかも治せるからまぁ、大抵の怪我は治せるな。
いやぁ、それにしても風呂に入ったがまったりするなぁ。やはり着替えとクリーンだけではなかなかサッパリしないもんだな。
ベッドに入りウトウトしているとスマホが鳴る。
カオル『起きてる?』
スズト「起きてるよ」
カオル『少し喋れるかな?』
スズト「んじゃロビーに行くよ」
と、寝ようとしたところだったがロビーに向かう。
「どうしたんだ?みんな集まって?」
そこには落内以外が全員いた。
「いや、足引っ張るつもりはないからさ」
「ん?」
「単刀直入に言うと先に行ってください」
「へ?」
なんのことだ?
「ダンジョンのことです。みんなあなたの足手纏いになりたくないらしいのです。私も含めてですが」
「お、あ、あぁ、ダンジョンの事か」
「それ以外にないでしょ?」
「まぁな、だが俺が抜けて大丈夫か?」
「はい!階層転移もわかりましたし、マジックバッグもポーションも手に入りましたから」
へぇ、まぁ、マジックバッグはデカいよな。
回復はネアがいるしな。
「じゃあ、先に行くぞ?みんなはレベル上げをするんだよな?」
「はい!そのつもりです」
「分かった、じゃあそうするか」
と言う事で俺は1人でダンジョンに潜るようになった。
20階層、ハンマージャックと言うデカいハンマーを持ったネームドのトロールだ。
ハンマーを巧みに操ってくるが、サンダーインパクトで痺れさせてから首を狩ると余裕だったな。
ドロップは収納に入れる。
宝箱は金の宝箱なのでまた毒針が仕込まれていた。
後ろからそっと開ける。
中にはまたマジックバッグと回復の指輪だ。
指輪をつけてまた潜って行く。
なかなかハードになって来て、痺れを起こさせるビッグモスや、毒針になっているデスヘッジホッグなど、多彩なモンスターが押し寄せてくる。
まぁこちらも気兼ねなく上級魔法を使いまくって倒しているので問題はないが、
30階層、ウルガノフと言う黒狼だ。
厄介なことに影が多いボス部屋で、いきなり飛びついてくるから避けるのに必死だ。
索敵にもかからないような速さをしているので何度も攻撃を喰らう。
捕まえるのを諦め腕に噛みついたところで、
「アブソリュートゼロ」
と氷魔法を使い牙を凍らせ首を狩る。
「くっ!フルケア!」
自分の腕ごと凍らせたからな。危ないところだった。
消滅して行くウルガノフに今度はスピードで勝負だと言いながら、ドロップを拾うと、ウルガノフのブーツ、ウルガノフの革鎧というのがあったのでそれに変える。
素早さが上がるらしいし、隠密が使える。
宝箱は金、また後ろから開けると今度は毒ガスなので少し放置して中身を確認するとマジックボックスと言う抱えられるくらいの箱型のものと、金貨の山だった。
二つとも収納に入れてまた下に降りて行く。
35階層のセーフティーゾーンで一休みする。
「ったく、ウルガノフは流石に応えたな」
治った自分の腕をさするが、そこに噛み付かれた感覚はある。少しでも遅ければ肉を持って行かれただろう。
この下にはまだ強いモンスターがいるんだろうな。
ウルフ系のモンスターが多いな!35階層を降りると素早いウルフ系が多く出てくる。瞬歩で避けながら斬って倒す。
上が本当に遊びのように思えるな。
ここは本当の命のやり取りをしている感覚がある。少しでも気を抜けば取られる覚悟が必要だな。
ん?と言うことは俺もまだ適正レベルじゃないってことじゃないか?
俺はここでレベル上げをする必要があると感じてレベル上げに熱中する。
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