第12話 買い物


 みんなが選んでるので桐生院のそばに行き、

「これは出してないんですが」

 と収納からヒップバッグと言う物を出す。

「これは?」

「マジックバッグというものらしくオーガキングのドロップから出ました」

「マジックバッグ?…こ、これは」


「あ!それ!マジックバッグじゃないですか!」

 とアルがめざとく見つけると、

「そんなの隠し持って!」

「それ国宝級の!」

 と騒ぎ出すアル達。

「だから出さなかったんだよ!」

「これは買い取るから私のものだ」

 と桐生院がいえばみんなが黙る。しかし結構みんな選んでいるな。


 カオルなんてオーガの薙刀だ。

「薙刀を習ってましたから!」

 ミオは魔法グッズだな。魔法使いだ。

「魔法こそ使うべきです!」

 大剣を背中に付けて鎧も新しくしたアルや、弓を新しくしたリリも嬉しそうにしている。ライアやククル、ネアも新調しているし、なぜかミレイさんも武器を選んでいる。

 着いてくるのか?

「よし、それまでだな!あとは全て買い取るので口座に入れておく」

「分かりました」

 というと他の使用人が入って来て、全てを持って行った。

「よし、これで終わりだな」

「あ」

「まだ何かあるのか?」

 そういえばまた指輪や腕輪があるんだった。

「アクセサリーが…」

「やったぁ!」

「待て!まずは出してもらう」

 桐生院が言うので、説明しながら出して行く。

「と言うかんじですね」

「よし、これは俺が」

 と力の指輪とマジックリングを一つつけて自分の薙刀を収納して見せると、

「ほほう、いいものだな!」

「わ、私これがいい!」

「私もこれが!」

 とマジックリングは争奪戦だ。5個しかないからな。いや、4個になったのか。


 結局、アル、カオル、リリ、ククルに渡った。

 他のみんなは悔しそうにしている。


 粗方片付いて残りを持って行く使用人。


「ふぅ、お腹いっぱいって感じ」

「そうだな、またあれば買い取るからな」

「はい、その時はよろしくお願いします」

「ミオの父上には連絡はしたから明日からこちらのラボに来る予定だ」

「わぁ、良かった!」

 とミオが喜んでいた。

「して、時雨君はこれからどうするつもりだ?」

「そうですね、ダンジョンにも行ってみたいですね」

「分かった、手配しよう!」

「わ、私も行きたいです!」

「私も!」

「もちろん強くなって帰ってくるのだろうな?」

 と強い眼差しで桐生院が言う。

「はい!」

「それならば用意しよう!」

「レイナの分もお願いします!」

「分かった」

 えぇー!なんで自分の娘をダンジョンなんてとこにいかせるかね?

「本当に行かせるんですか?」

「危なかったら守ってやってくれ、その分の報酬は口座に入れておく」

「わ、分かりました」

「お前達も行くのだろう?」

 とアル達に聞くと、

「もちろん」

「「「「はい!」」」」

「よし!ならば準備をして明日行けるようにな!」

「「「「「「「「はい」」」」」」」」


 うわぁ、決まっちゃったよ。

 はぁ、言うんじゃなかったな。

 ミレイさんが衛生写真で見せてくれる。

 検索して探すとダンジョンがあるのは福岡県の八女市と言うところらしい。


 俺も準備があると外に出る。

 車を走らせてショッピングモールにいくと、銀行にはもう振り込まれていて…0が9個?じゅ、10億!?


 ま、まぁ、使わせて貰おう!今から必要だしな。

 出来合いのものを買って回り収納に入れて行く。モスドなどのバーガーも大量に買っておく。あとはテントなども用意しておくに越したことはないな。

 普通に刀剣ショップなどがデカデカと広告しているのが変わったところか。

 まぁ、鎧なんかをつけてる奴もいるし、ギルドも出来て来たみたいで順応して行ってるよな。


 ギルドは村にあるギルドからノウハウを教えてもらい作っているそうだ。


 疲れて休んでいる間にスマホで情報収集だ。


 飛行機は飛んでいるが海外に行く際のルートが変わったそうだ、ドラゴンに落とされるらしい。

 ドラゴンなんているんだな。

 そして電車は通っていない。

 点検中らしい、線路に木が生えているなんてことが多くなったようで新幹線なんてもってのほかだな。

 高速も一部通行禁止になってるし、惑星が合わさると凄い不便になるものだ。


 取り敢えずまた動こうとすると横から体当たりされる。

「なんで1人で行っちゃうかな!」

「レイナ?カオル達も」

「どうせ色々買い込んでるんでしょ?私達も買い物しに来たの!」

「そうか、なら一緒だな」

 と言って回るのは服屋?

「なぜ服?」

「え?ずっと一緒のもの着るわけにはいかないじゃない!」

「あ、あぁ、そうだな」

 と言ってまた俺の着せ替えが始まる。

 どうせこの上に鎧なんかも着込むのだがな。

 散々服を買わされ、次は女物だからと待たされるので、その間に色々買って行く。

「どこに行ってたのよ」

「いや、長くかかるからその間にちょっとね」

「これ、収納しといてね?」

 とスーツケースを渡される。


「よし、次に行こう!」

「まだ買うのかよ」


 女の買い物は延々と続くな。

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