第11話 魔石


 収納にはドロップがたくさんある。

「That's amazing!スズト、ありがとう」

「あはは、なんとか倒せたね」

「俺は名前を言ってなかったな、アンディーだ」

「そうか。じゃあアンディー!」

 グータッチをして健闘を讃える。


「そう、それだ」

「これか!ほうほう、こうやってよし!」

 俺は今ステータス画面の見方を教えている。

 みんなこの戦いでレベルが上がってるみたいだしな。

 あぁ、怪我人はもう回復してあげて自分達もステータスを見ている。


 死亡者は少なくない、アンディーも運ばれた時には死を彷徨っていたそうだが、レイナが俺のことを言っていたのを思い出し家に連れて帰ってもらったそうだ。


「ファイヤーボール!」

「ワォ!凄いぞ!魔法だ!」

 これで米軍も強くなっただろうな。

 てか教えたと言っていたが通じてなかったのか?

「いや、教えてもらったがよくわからなかったんだ」

「やっぱり通じてなかったんじゃないか!」

「あはは、そういうこともある」

 と力なく笑っているのでちゃんと聞かなかった事を後悔してるのだろう。

「少しでも力になれたはずなのにな」

「あぁ、でもスズトが来てくれたから助かった、ありがとう」

 まぁ、この勝利には価値があったんだな。


 軍用車でレイナの自宅に帰る。

 アンディーはこれから後始末だそうだ。

 2人にキスをしてから戻って行った。

「スズト!ありがとう!」

「まぁ、無事でなによりだな!」

「ありがとうございます」

 とママさんも頭を下げる。

「いや、もう夜も遅いから帰りますね!」

 もう外は真っ暗でみんな寝ているだろう。

「はい!お呼びしてすいません」

「いいえ、友達ですから」

「スズト、ありがとう」

「おう!じゃあな」

 と車を収納から出して家まで帰る。


 途中でコンビニに寄ってビールなどを買い込み家に戻る。


「さぁて、飲むか!」

 ビールが疲れた身体に染み渡るね。


 でもそうか、鬼の森は最奥があったわけだ。オーガの巣になってるとは思わなかったな。ゴブリンしか出てこないと思ってたからな。


 でもよく倒せたよな、あのロケットランチャーかなんかのアシストがなければ危なかったかもな。


 収納したものを見てみるとオーガアックスやオーガの鎧などが多数あった。アンディーにあげれば良かったかな?


 まぁ。日本の街が守られたんだからよしとしよう。

 ヘリで房総の被害を伝えているが、まぁ酷いもんだな。そこで暴れたのは俺だけどさ。



 ようやく次の日は何もなく過ごしていた。洗濯をして掃除もしたし、クリーンまでかけたからな。


レイナ『昨日はありがとう!」


スズト「どういたしまして」


ミオ『スズト、余ってる魔石は無い?』


スズト「ん?あるけどどんなもん必要?」


ミオ『まぁ必要なかったら全部』


カオル『こちらにも回してください』


スズト「え?カオルもいるのか?」


ミオ『うちのお父さんは学者なのよ、必要だから言ったの!カオルは取れるでしょ?』


カオル『お父様からのお願いなのよ』


スズト『分かったから、2人に渡すから何処かで会おう』


カオル『なら迎えにいかせますから』


 と、言って来たのは落内だ。

「なんだこの子汚いアパートは?」

「うるさい!俺の住んでるところを悪くいうな!」

「ケッ!分かったよ」

 と軽口を叩き、ミオの元へ、

「もう、カオルったら、私が言い始めたのに!」

 とご立腹だな。

「まぁ、エネルギーにすると言ってたんだ、あっちにも化学者がいるんだろうな」

「ふん!私のお父さんの方が優秀よ!」


 と言いながらカオルの家に到着する。

「いらっしゃい」

「カオル!邪魔はしないでね!」

「わかったわよ、言い出したのはミオですもの」

 中に入っていくと桐生院がいた。

「よく来てくれた」

「おじ様!私が先にスズトに魔石のことを言ったんですからね?」

「分かっておる。そこは任せよう」

「よし!スズト!魔石を出して」

 アル達も見ている中、魔石を出していく。

 ゴブリンのものから出していき山になるが、ゴブリンキング、オーガ、オーガナイト、オーガキングと出すとみんなの顔が険しくなった。

「こ、こんな大きいの?」

 抱えきれないほどの大きさだ。

「それはオーガキングの魔石だ」

「「「「「オーガキング!」」」」」

「大鬼の王か…たしか房総で倒されたと」

「レイナに呼ばれて行ったら助けることになってね」

「分かった。ミオ?オーガキングの魔石はうちで預かろう」

 と桐生院がミオに言うと、

「そうね、こんな大きなもの持って帰れない」

「その代わり魔石の分析なんかをミオの父上に頼もうではないか!」

「ほんと!それなら全部いいわよ!」

「スズト、これだけの魔石だ、口座を教えてくれるか」

「は、はい」

 ミレイさんに口座を教えておく。


「それにしても見事な魔石だな」

「そうだ、スズトよ、売れるものは持っていないか?鎧なんかは買い取るぞ?」

「本当ですか!いやあ、嵩張ってしょうがなかったんですよ」

「あるのか!出してくれるか」

 ゴブリンからドロップ、オーガからドロップなど色々出していく。

 アル達の顔も変わって行く。


「この大剣を売ってくれないか?」

 アルが頼み込んでくる!

「いやしかしな」

「いいではないか、私は残ったものを買おう」

「ありがとうございます!これが全財産だ」

 と金貨や銀貨で渡されるが、

「いいよ、やるからそれは閉まっておけ」

「ほ、本当か?」

「本当だ!ち、近いぞアル」

「わ、悪い…やったぁ!」

「じゃあ私達も?」

「好きに選んでくれ」

「やったぁ!」

 と選び出すみんなは目が輝いていた。

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