第3話 桐生院家


 デカい屋敷に入って行く。

 外ではゴブリンを倒している黒服の男達がいた。

「手伝った方が」

「いいんです、とりあえずお父様のところへ」

「はい」

 車は走り続け、中庭の様な場所に止まると外に出る。

「オラァ」

 ゴブリンがここまでいるとな!

 瞬歩で倒して周り、近くにはいなくなったようだ。

「スズト、こっちよ!」

「はい」

 靴を脱いでそのまま持って廊下を走る。

「お父様!」

 襖を開けると薙刀を持ったオールバックのスーツが似合う男が佇んでいた。

「カオル!よかった無事だったか」

「こちらのスズトが助けてくださいました」

「そうかありがとう、礼を言う」

 と頭を下げるのでこちらも頭を下げる。

「お父様、これは何事ですか?」

「どうやら科学班によると地球に似た惑星と同化し始めた様だ」

(は?地球と似た惑星?)

 突拍子の無いことで頭がこんがらがっていると、

「次元の違う二つの星が同化している、そしてこの世界の地図も書き換えられている様だ。動植物全てにおいてな」

「それでこの様なことに?」

「そう言うことだ、こちらに連絡があったのはついさっきだ、ステータスは見たか?」

「はい!」

「ならそれが答えだ。この様なことは地球では無いからな」

 話についていけない俺は?がいっぱいだ。


「早急に対応して行く!それまではカオルは地下にでも」

「私は戦います!」

「そうか、ならその男と一緒にいるがいい、それなりに出来るのだろう?」

 とこちらを見る。え?俺?

「え?えぇ!」

「はい!助けてもらいましたし」

「なら美玲も連れて行くがいい」

「はい!」


 ということで俺らは外に出る。

「美玲、いまから討って出ます!」

「はい!」

「スズト?剣の余りはありますか?」

「ん?あるけど」

 と出してやる。

「ミレイもこれから倒して行くのですよ?」

「はい!」

「では行きます!」

 と知らない間に俺もなぜか討伐組になっている。いや、このまま女二人に任せるのもなんだから行くけどさ。


「押されてますわね!」

「はぁ!サンダーショック」

 一応ゴブリンだけを狙って放つと大丈夫の様だ。

「す、凄い!魔法ですね!」

「はい!これで一気に片付けましょうか?」

「いえ、私もレベルを上げたいですので!」

 と走って行く二人。

 俺もついていき収納して行く。


 どんだけ広い家なんだよ!

「おりゃ!」

「せやぁ!」

 と二人はもう夢中でゴブリンを狩っている。

 俺は他の人にも鉄の剣を渡して戦う様に指示して収納にドロップ品を拾って行く。

 結局、俺は回復&収納要員になり、2人は思う存分暴れている!

 まぁ、ゴブリンだから大丈夫だろ?

「す、スズト!」

「ん?…ホブゴブリン?」

 ゴブリンを二回りくらいデカくした様なゴブリンだ。ホブゴブリンと言うそうだな。

「私達じゃ歯が立たない!」

「わかった、瞬歩」

 目の前に俺が現れて硬直したホブゴブリンはあっさり首を狩られて消滅した。ドロップは革鎧と魔石だ。

「さすがスズト!その鎧は?」

「鑑定したらオークの革鎧らしいから装備してみるか?フィットでその人の大きさになるらしい」

「わかった!…フィット!あ、凄い!」

 革鎧は縮んでカオルにちょうど良くなった。

「さっきのがボスみたいだな、ゴブリンが消えている」

 さっきまでが嘘みたいだ。

「そうね、それじゃあ外に出ましょうか?」

「えっ?わざわざ?」

「レベル上げですの」

「まぁ、いいが、もうすぐ夕方だ。人が多くなるぞ?」

 もう日は傾いている。

「そうですわね、今日はこれくらいにしましょうか」

 ミレイさんがそう言うので、

「おう、じゃあ、俺はこれで」

「明日もまたきてくださいね」

「分かったよ。会社に連絡しないとな」

 とブツブツ言いながら帰る。


「ミレイ、よろしくね」

「はい、畏まりました」

 

 帰りは帰りでゴブリンを狩りながら帰る。

 ホブゴブリンも何体か倒したので、少なくなったはずだ。家の近くのホブゴブリンも倒してアパートの2階に帰る。

 ステータス、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 時雨涼都シグレスズト 30歳

 レベル15

 スキル 剣術極 体術極 収納 鑑定 瞬歩 初級雷魔法 初級回復魔法 生活魔法

 ユニーク 幸運 魔法の素質

 称号 第一討伐者

 SP 952

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 こう見るとSPがだいぶ増えてるからけっこう倒したみたいだな。

 生活魔法のクリーンを使い汚れを落として部屋に入る。

 途中で買ってきたコンビニ弁当を食べながらまたスキルを見ている。

 とりあえず初期魔法と呼ばれる火、水、風、土の魔法を各SP5で取り、後氷魔法をSP20で取る。

 魔力循環、魔力強化をSP20で取ると、全部でSP80かまだ取れるな。


 回復魔法を初級から上級にあげるのにSP300使った。それから初期魔法を上級に上げるのに各SP15、雷と氷は各SP60必要だった。

 これでSP560使った。

 生活魔法はそのままらしい、ステータスが見にくくなったが、6大魔法として登録された様だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 時雨涼都シグレスズト 30歳

 レベル15

 スキル 剣術極 体術極 収納 鑑定 瞬歩 上級6大魔法 上級回復魔法 生活魔法 魔力循環 魔力強化

 ユニーク 幸運 魔法の素質

 称号 第一討伐者

 SP 392

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 よし、これでなんとかなるだろう。

 俺は眠りにつこうとすると、グループチャットでレイナが、


レイナ『とりあえずパパが戻ってきて一安心』


ミオ『私のところも』


カオル『私はゴブリンを倒しましたわ!スズトと一緒に』


スズト「成り行き上仕方ないけどな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る