人感センサー

お前んちすげえな。

さすが金持ち。

こんな豪邸おれには無理だわ。

このアプローチも立派だな。

外構にいくらかけたんだよ。

教えてくれたっていいだろ、おれとお前との仲なんだからさ。

え、まじか、高級車買えるじゃん。

なんかその金持ち具合にイラついてきたわ。

早く家に案内しろよ。

テレビでやってるようにレビューしてやるよ。

「おぉ…良い柱ですねぇ…」ってな。

さあさあ行こう行こう。

さて、それではいよいよこの豪邸に入っていきましょう!

おぉ…重厚感のある立派なドアですねえ。

お!そしてなんと明かりが勝手についた!

人感センサーってやつですねえ。

そしてきれな奥様の登場だ。

奥様、いつも智くんにお世話になっておりますぅ。

飲み物はコーヒーホットでミルク少し、砂糖1つでお願いしますね。

分かった分かった、ふざけるのはやめるよ。


ところで、よくある怪談話なんだけどさ、人感センサーってあるじゃん。

そうそう、この玄関の明かりのやつ。

最近さ、このセンサー勝手に作動したりしない?

え、なんで分かるかって?

おれは霊能力者だからね。

は?嘘じゃねえし。

人感センサーって、たまに霊を感知するらしいんだよね。

何かの霊が通り過ぎると磁界的なのが歪んで誤作動を起こすとか。

まあ安心しろって、普通ならそんなのよくあることだから。


でもさ、本当に危ないのは、人感センサーの誤作動の頻度が多くなってきたり、ずっと感知してるから明かりがつきっぱなしになってるとき。

最近、そういうことないか?

そうか、あるか、あるよな。

いいか、よく聞けよ。

人感センサーが頻繁に作動するってことはな、霊が多く通ってるってことなんだよ。

ずっと感知してる場合は、絶え間なく霊が通ってるか、ずっとそこにいるかだ。

確かに、おれはそいつらの存在を感じるよ。


引っ越した方がいいかって?

まあなら引っ越せば解決だね。

でももうお前は残念ながら終わりみたいだ。

逃げてもきっと憑いてくるだろうな。

なんでかって?

自分のやったこと覚えてないのか?

あいつら怒ってるみたいだぞ。


まあいいや。

自業自得ってやつだよね。

じゃあ頑張って逃げな。

おれはここらで帰るわ。


あ、奥さん!コーヒーやっぱりキャンセルで!

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