第2話  蝦夷地

十月十一日   

十一月二十四日

土方の日記

明日、蝦夷箱館に向かって出港する。一ケ月前、土方は青葉城で初めて榎本に会った。青葉城において薩長と戦いを続行するか降伏するかの大激論が繰り広げられていた。

藩主慶邦の最終決断で降伏と決まった。

最後まで交戦を主張したのが俺と榎本だった。

だが、俺と榎本の「主戦論」は違う。榎本はそのことに気付いていねぇ。

榎本の喋りを聞いていると、清河八郎や伊東甲子太郎を思い出しちまった。

俺とは会いそうもない奴だ。だが俺は榎本と箱館で薩長と戦をする、必ず、榎本とは衝突することは間違えねぇ。

だが、そのことは大した問題じゃねぇ。何故なら、榎本は戦というものを知らねぇ。それに大鳥圭介も戦は下手だ。戦の主導権は俺がとる。とれたら問題ねぇことだ。

榎本が気にくわねぇのは、何故、八月二〇日(一〇月五日)暴風雨に品川沖を出港したのかだ。

八隻の軍船での出港だ。三千からの兵士を乗船させての出港。

結果、美香保丸は犬吠岬に近い黒生村沖の岩礁に乗り上げ沈没。遊撃隊をはじめとする六百十四人を失った。水死した兵士は十三名。生き残った兵士は二手に分かれて脱出した。土浦方面に脱出した者二百五十名。上総方面に脱出した者百五十名、この百五十名は新政府に投降下高崎藩兵に捕まった。何人かは射殺された。

もう一隻、咸臨丸は、暴風雨で静岡まで流され新政府軍に拿捕。乗船していた兵士四百一名、内二十余名が戦死。貴重な戦力の三分の一を失った。榎本は恥じ入ることもなく「いけしゃあしゃあ」としている。


遊撃隊は勇猛果敢な「侍」を有している隊だ。

隊長の伊庭八郎の消息はまだ取れていない。

美香保丸には、大量の軍需物資が積み込まれていた。補充は聞くのか。不安は尽きなかったが考えるのをやめた。

市村鉄之助に食事の用意をさせ、島田魁、市村と三人で食った。

 

十月十二日 

十一月二十五日

この日、波は大丈夫そうだった。兵士達は、慌しく動いている。新選組隊士は指定されている「大江丸」に乗船し始めた。唐津藩小笠原胖之助及び家臣が乗船を希望してきた。土方は新選組に入隊することを条件に乗船を許可した。


土方歳三  「相馬君、幹部をここに集めてくれねえか。」

       森常吉、島田魁、相馬主計、大野右仲、安富才助、沢忠輔、

       角ケ谷糺、野村利三郎青地源次郎、粕谷小次郎、西脇源六郎、 

       佐久間顕輔、中島登、佐間銀太郎、阿 隼人、石井勇次郎、前場喜  

       横倉勘吾郎、谷口四郎兵衛、山形時郎、粕谷十郎、村岡伊助、 

       市村鉄之進が土方を取り囲んだ。

土方歳三   市村、唐津の三好殿と家臣を呼んできてくくれ。」

       三好胖、小久 保清吉、小林幸次郎が小走りでやってきた。

三好胖    「土方先生、声をかけていただき恐れ入ります。」


       三好胖は、この時十七歳であるが好青年に見えた。

       曇りのない顔をしていた。


土方歳三   「そこに車座にになって座ってくれ。いよいよ箱館だ。途中宮古湾に  

       立ち寄る。個人的に必要なものがあれば購入するよう、皆に言って

       おくように。にように。箱館は寒さも厳しいと聞いている。     

       防寒具も調達しておいた方がいい。」

       「目的地は箱館の北東四十キロの鷲鷲ノ木という村だ。何にもねぇ 

       村だぞ。

       本題に入る。鷲ノ木村に付いたら隊を二隊に分けることが決まっ 

       た。

      一隊は大鳥君が総督となり大沼・峠下・七飯村の道を進む。

       もう一隊は俺が総督となって茅部・川汲・湯川と進んで五稜郭に向か  

       う道だ。

       俺は、茅部の間道を進む。新選組は大鳥君の指揮下に入ることにな 

       った。

森常吉    「何故、新選組は大鳥さんの下に付かなきゃならないんですか。

       ほとんどの者が大きく頷いている。

土方歳三   「俺は、陸軍全体を見る立場になったから俺を頼るな。箱館新選組 

       隊長は、森君、あんたやってもらう。詳細は後日発表するが、

       相馬君、大野君、安富君は、陸軍奉行添役になってもらう。

       大鳥君一派をけん制する役目だと思ってくれ。野村君は陸軍奉行添役 

       介として五稜郭に詰めてもらう。

       添役介の連中を抑えてくれ。多分、箱館新選組は函館市中、弁天岬台 

       場、箱館山の警備及び守備を受け持つことになる。

       それに箱館湾に敵艦隊が入ってきたら弁天岬砲台は苦しい戦になる。

       覚悟しておけよ。

       それから守備隊の兵力は、せいぜい四百程度だろう。

       俺の考えでは、薩長との決戦は雪が解けてからだろう。敵は江差方面 

       に上陸してくると俺は思っている。

       詳しいことはまだ判らねえが木古内あたりが激戦になるんじゃねえ 

       か。

       問題はここからだ。箱館市中、弁天岬砲台、箱館山をどうやって守る

       かだ。相馬、大野、安富お前らは森と連携して作戦を練っておけ。

       作戦が決まったら俺に知らせろ。

       判ったか。」


      全員頷いた。


土方歳三   「島田、上陸したら大鳥に直訴しろ。」

島田魁    「何を直訴するんでありますか。」

土方歳三   「おめぇは、俺と離れてさみしくねえのか。大鳥に「土方総督を

       警護させてくれ。」と言えばいい。新選組の中で古参の隊士を

       選抜して、守衛新選組を結成させてくれとな。」「おめぇの考えとし  

       て談判するんだぞ、いいな。」

島田魁     「了解しました。」

土方歳三   「森君、全隊士に研究課題を与えろ。今日はこんなところだ。船酔 

       いしてきた。解散しようや。」


       船は順調に宮古湾に向けて進んでいる。

       土方は市村鉄之助と渡辺市造を呼んだ。


土方歳三   「鉄之助、市造。お前らは今日から俺の小姓だ。常に俺のそばにい 

        ろ。」

市村鉄之助   「先生、ありがとうございます。最高です。

        一生懸命務めます。」

渡辺市造    「先生、私でいいんですか。死ぬ気で頑張ります。ありがとうござ  

        います。」


        二人は興奮気味で大声で話しながら、皆のところに戻っていった。

    

土方の日記   今日、蝦夷地に向かって出港した。明日、物資を補充するために宮 

        古湾に立ち寄る。

        新選組の連中と簡単な軍議をしたが、問題ないと確信した。宮古  

        湾滞在は四日程になると思うが、蝦夷に着いてからの進軍、松前  

        攻め等決めねえといけねぇことが結構ある。大鳥のことは

        ある程度知っているつもりだが、榎本のことはさっぱりだ。

        どの程度の男なのか、観察するか。それと松平太郎、永井玄蕃、

        荒井郁之助 も知っとかねえとならねぇ。


十月十三日 

十一月二十六日       

        宮古湾に着いた一行は上陸後、物資調達などで忙しく動き回ってい 

        る。

        榎本は、大鳥圭介、松平太郎、永井玄蕃、土方歳三、荒井郁助、 

        中島三郎助、ブリュネ大尉、カズヌーブ伍長、通訳の飯高平五郎を

        招集した。

 

榎本武揚     「皆さんに招集をかける立場ではありませんが、軍議をと思いま 

        して参集いただきました。

        自己紹介は省略させて頂きます。本日の議案は上陸後の軍事行動 

        及び箱館五稜郭占領と松前攻撃を考えております。

土方歳三    「荒井君、上陸までの予定を聞かせてくれねえか。」

荒井郁之助   「はっ。天候次第ではありますが、宮古湾出港は十月十七日。

        鷲ノ木到着は十月二十日を考えております。]

榎本武揚    「何か質問はありませんか。」

土方歳三    「荒井さん、天候に不安はねえのかい。」

荒井郁之助   「村の漁師に確認しているところですが、問題はないかと思われま 

        す。」

土方歳三     「そうかい。」

榎本武揚     「鷲ノ木上陸後の流れを大鳥君の方から説明して頂きます。大鳥 

        君、よろしく。」

大鳥圭介     「上陸後、直ちに隊を二隊に分けて箱館を目指します。その前に 

        人見勝太郎君と本多幸七郎君、兵三十人を連れて五稜郭に先発して 

        も  らいます。一隊は、私が指揮を取ります。新選組、

        伝習士官隊、伝習歩兵隊、遊撃隊、その他緒隊、仏軍教官ブリュ   

        ネ、カズヌーブ、マルラン。この隊は大沼・峠下・七重村を通って

        五稜郭を目指す。兵力約七百名。もう一隊は、土方君に指揮を取っ

        てもらいます。守衛新選組仙台額兵隊、衝鋒隊、その他緒隊、

        仏教官ブッフィエ。兵力五百名。十月二十六日五稜郭到着を目指し 

        ます。 

        二道とも敵の襲撃が予想されます。十分、気を付けてください。

        また、宿営地ですが収容しきれないことが想定されます。各隊は、   

        先発隊を出して宿舎確保に当たらせてください。質問はありません 

        か。」

榎本武揚    「本日の軍議は此処までと致します。お疲れさまでした。」

  

土方の日記   昨夜から吹雪になった。一晩で一尺程積もった。風がすごい。

        不安がよぎった。

        俺は、船が苦手だ。船酔い程、気色の悪いものはねえ。

        出港日は天気になってくれよ。


土方歳三    「榎本さん、大鳥さん、ちょっといいかな。」

榎本武揚    「どうぞ、丁度、私も話がありました。大鳥君も同席してくださ  

        い。」


        土方と大鳥は、酒樽を椅子代わりにしている樽に腰を下ろした。


榎本武揚    「土方さん、察しているだろうが私と大鳥君、永井さん、

        松平さん、荒井君で蝦夷地上陸後のことを話していたんです。昨日

        、大鳥君が発表した進軍ですが問題はなったですか。」

土方歳三    「問題はなかった。ただ、準備不足は否ねえと思った。鷲ノ木か  

        ら五稜郭までを五日かけて進軍する。敵の攻撃にもよるが足止め 

        を食らったら露営しなきゃならねい。昨夜からの暴風雪が続いた  

        ら戦どころじゃえ。」

大鳥圭介     「土方君、言われることは尤もだ。だが、敵に時間を与えたくは  

        ない。電撃戦で行くしかないと考えた。」

土方歳三    「良くわかる。言ってもしょうがねぇことを言っちまった。」

榎本武揚    「土方さん、まずは、五稜郭、松前を落とすことです。松前を落と 

        した後、「入札」をしようと思っています。」

土方歳三    「入札?」

榎本武揚    「松前を落とした後、蝦夷共和国を創るのです。「国樹立」を英・ 

        米・仏・露などの国に発表します。共和国の総裁、各奉行等々を

        皆に投票してもらい決めます。これを入れ札と言います。

        そこで土方さん、貴方に陸軍の総責任者になって欲しいのです。   

        入札の結果次第ですが、是非お願いしたい。立場上、大鳥君が

        陸軍奉行、貴方には陸軍奉行並を考えています。陸軍に関しては、  

        全てお任せします。いいね、大鳥君。」

土方歳三    「わかった。役職はどうでもいい。陸軍を任せてもらえるなら。」

榎本武揚    「良かった、良かった。よろしくお願いします。ところで土方さん 

        のご用件は。」

土方歳三     「榎本さん、江戸を脱出する際、座礁沈没した美香保丸には大量の 

        軍需物資が積み込まれていたと聞いている。又、静岡で薩長に拿 

        捕された咸臨丸にも物資が積まれていたんじゃねえのかい。沈没 

        しちまった物資の詳細は出してもらえるのかい。」

榎本武揚    「さっきも言いましたが、箱館に着いたら諸外国に蝦夷共和国樹  

        立を宣言します。諸外国に我々を認めさせます。認めてくれた国か 

        ら武器を購入します。大丈夫、心配ありません。

         それに徳川幕府が米国から購入する予定の甲鉄艦ストーン・ウォ

        ―ルの交渉も進んでいます。」

土方歳三    「榎本さん、あんたがそう言うんなら心配ねぇんだろうよ。とこ 

        ろで軍資金はどうなんだい。今、どのくらいあるんだ。」

榎本武揚    「軍資金は心持たない状態です。今、永井さん、松平さん、榎本対 

        馬君と協議しているところです。箱館・松前を押さえたら箱館の豪

        商達から軍資金を徴用するつもりです。また、市中から通行税等を  

        取るつもりでいます。」

土方歳三    「榎本さん、気は確かか。箱館市中の人達には砲台や陣屋の補強  

        等苦役を強いることは仕方ねえとしても、その上、税まで取る。榎 

        本さん薩長だけじゃなく箱館市中の人まで敵にすることになるん 

        ぜ。俺は絶対同意できねえ。考え直してくんねぇか。今日はこれで 

        帰る。」

   

        土方は、無性に腹が立っていた。 あの連中を好きになれねえと痛 

        感した。洋行帰りの頭がいい男か何だか知らねえが、本当に頭の 

        いい奴は誰でも判るあんな愚策は考えねえ。

        頭で戦をしちまう奴を嫌というほど見てきた。自分は頭がいいと 

        思っている。そういうやつらの共通し ているのは「弁が立つ」  

        だ。弁が立つ奴は自分が発した言葉に酔っちまう。そういう輩が

        てっぺんに立ったひにゃあ、勝てる戦も負け戦になっちまう。榎 

        本が何故この戦をするのか判らねえ。

        旧徳川家臣を蝦夷地開拓団として 蝦夷地に送りたい。ロシアの侵 

        略に対して守備隊を組織したい。本当にこの二点が本音なのか。

        土方は新撰組隊士の連中がいる漁師小屋に足を向けた。

        雪は降り続いているが各隊の兵士達は船に食料など必要な物資を 

        慌しく立ち働いている。

 

土方の日記   今日は気の晴れねえ一日だった。新撰組隊士達の顔を見たら気が 

        晴れるかと思って行ってみたが気晴らしにはならなかった。

        蝦夷地に上陸するまで榎本の顔を見ないことにした。


十月十五日  

十一月二十八日 


土方の日記

        今日は天気も上々だったので、渡辺を連れて防寒着や必需品を買 

        いに村をぶらついた。

        渡辺は、大いに燥いで先頭を歩いていた。渡辺市造は普段は無口 

        で愚直な少年隊士だが、今日は俺に色話 しかけてきた。俺の共 

        をするのが誇らしいと言っていた。

        市村鉄之助は、千八百六十七年鉄之助十三歳の時に兄鋹之助と入  

        隊してきた。しかし千八百六十八年新選組が流山に駐屯していた 

        時、兄餦之助は脱走した。兄は大垣藩に帰って官軍として戦ったら 

        しい。

        生死は不明らしい。

        二人に刀を買ってやった。無邪気に喜んでいた。この二人は殺しち 

        ゃならねぇと思った。


十月十六日 

十一月二十九日

土方の日記   

       今日も快晴だった。出港準備も出来たようだ。

       明日は予定通り出港出来る。この天気が鷲ノ木に着くまでもってくれ  

       ることを祈るばかりだ。

       船酔いは勘弁だ。

       身の回りの荷物は鉄之助と市造が済せてある。市造は、昨日買ってや 

       った刀を島田や大野に見せびらかしたそうだ。島田は、「これは名 

       刀だ。」と神妙な顔つきで市造に呟くもんだから、市造は俺のとこ 

       ろに来て「この刀を私の宝としてよろしいでしょうか。先生、本当に  

       ありがとう誤差いました。」だと。いよいよ、蝦夷だ。


十月十七日  

十一月三十日

      この日、天気は曇天。風は殆どなかった。土方は新撰組隊士と 大江丸 

      に乗船した。榎本に開陽に乗らないかと誘われたが丁重に断った。

      万が一、船酔いになってその上、榎本達の顔・声なんて聞いてられね 

      え。

      大江丸の船長は小笠原賢蔵という人で気さくな感じの人だ。

      波がなく俺にとっては申し分ない。

      土方は市造に新選組幹部を集合よるよう命じた。


土方歳三  「上陸後の進軍の作戦は出来ているのか。」

森常吉   「先生、一つ質問があります。我々は大鳥隊に入りますが全て大鳥さん  

      の指示に従わなければなりませんか。」

土方歳三  「何故、そんなことを聞く。」

森常吉   「宮古に上陸した折、伝習隊隊長の滝川充太郎君と話をする機会を得   

      ました。はっきりとは言いませんでしたが、大鳥さんは、会津戦で何 

      度か間違った指示を出されたというのです。大丈夫でしょうか。」

土方歳三  「森君、相馬君、大野君、安富君、よく聞いてくれ。大鳥隊は七・八 

      百規模で進む。大野君、鷲ノ木を出発する前に「大鳥さんは新撰組以 

      外の諸隊全体を指揮してください、新選組は我々で大丈夫です。」と    

      言え。大鳥はこういう言葉には乗ってくる。どうだ。」

大野右仲  「了解しました。大鳥さんのことはある程度知っています。先生のおっ  

      しゃる通りになるでしょう。」

土方歳三  「森君、五稜郭までは油断するなよ。峠下、七飯村・大川・桔梗は要 

      注意だ。隊列に関して一つ言っておく。一番隊、二番隊、三番隊の中か 

      ら銃達者を各十名出せ。

      それと、敵の銃弾除けになる物を用意しておけ。最初の戦いで圧勝する 

      ことだ。敵の出鼻を叩く、いいか。三好殿一行は二番隊と三番隊の間

      に入ってもらう。君らに一つ言っておくことがある。

      手柄を立てることなど考えるな。これからいやというほど戦をしなき

      ゃならねぇ。焦るなよ、三好殿。

      刀での戦いは極力するな。距離を取って銃撃戦で戦うように。」

       「森君、後は頼んだ。三好殿、五稜郭で会おう。」


土方の日記

      三好胖は唐津藩主で徳川十四台将軍家茂の世付きを決める際、慶喜を 

       強く推した人物で老中職にあった小笠原長行の甥が小笠原胖之助(三好

       胖)だ。唐津藩は薩長に対して恭順したが長行は徹底抗戦を唱えて胖と 

      関 係を断絶し二十三名の藩士を伴い仙台に来た。そこで蝦夷地で共に

      戦うことを希望した。俺は新選組に入隊することを条件に乗船を許可 

      した。二十三人の内、十名は三好胖の守役っ手ところか。

      三好胖は彰義隊に加わり上野で戦ったそうだ。

      新選組十番隊隊長だった原田左馬之助にかわいがられたと言っていた。 

      鉄之助・市造と同じ年だ。

      その三好胖が気になった。功を急いで無茶しねえといいんだが。

      俺は藩士の小久保清吉に釘を刺しておこう。


十月十八日 

十二月一日

土方の日記

      今日は午前中多少風が出たが船酔いするほどではなかった。

      昼からは太陽が出て風もなかったので、隊士たちが釣りを始めた。晩   

      飯は刺身、煮魚、、あら汁を食った。森君が隊員全員に酒一杯を配っ  

      た。皆、喜んでいたよ。

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