第10話 家庭科部でのやりとり

「今日から、家庭科部に所属する事になりました。犬塚マロンです」

 律儀に一礼をして、俺を含めた。家庭科部全員に自己紹介をする。

 マロンの仕草が目新しかった。「あんなのどこで覚えたんだ・・・・・・」

 呆れ顔になっている。俺とは反対に、他の家庭科部の皆の目が

 マロンに奪われていた。「よろしくね。マロンさん。私は

 家庭科部の部長をしている。如月宵きさらぎよい

 まぁーあれだね。三年生は、私しかいないから」如月先輩は

 家庭科部のまとめ役で、頼りになる。先輩でもある。眼鏡をかけて

 いて。艶やかな黒色の髪を自身の肩ぐらいの長さに揃えている。

 見た目は、清爽系な感じだけど。俺らは、知っている。

 この人の本当の素顔を・・・・・・。「それにしてもだよ・・・・・・」

 如月先輩が、不敵に微笑む。「何で、今まで黙っていたんだ?犬塚くん」

 「はい?」「こんなに可愛い。妹がいる事をだよ!」如月先輩が、マロンの

  事を指に刺し。俺の方に、訴えかけてくる。如月先輩のかけている。

  眼鏡が、キラッと光り出し。さらに、興奮気味に、俺を問い詰める。

 「こんなに可愛い。妹がいるって、何で黙っていたんだ。しかも、三人も

  いるなんてさぁ。三人もだよ?」「いやーそれはーその・・・・・・」

  如月先輩の圧が凄い。黒髪をツインテールで纏めている。その結んでいる。

  髪が、まるで意思を持っているみたいに。左右に激しく振っていた。

  まるで、犬の尻尾みたいだ。犬の感情表現の代名詞の尻尾。

  激しふるのは、喜びと警戒を意味しているみたいだ。今の

  如月先輩の髪の振り方は、興奮の振り方だな。「なんでなんだい?」

  如月先輩の猛攻撃が続いていた。これは、どう言えばいいのか。

  頭の中で、返答を考えていると。マロンが、俺と如月先輩の前に

  きて。大きな声で話し出す。「旬お兄ちゃんは、私たちの事を

  守ってくれているんです」「えっ⁉どう言う意味・・・・・・」

  「私達と旬お兄ちゃんは、血が繋がっていなんです。孤児院で

  新しい親を三人で肩身を狭くして。ずっーと待っていたら

  旬お兄ちゃんのパパとママが、私たちの事を養子として。

  引き取ってくれたんです」「なるほど」「初めて、家に

  きた時。旬お兄ちゃんが、私たちの事を笑顔で迎えてくれたんです。

  自分たちが、他の人に変な目で見ないように。今まで、守ってくれたです。

  私達を守る為に・・・・・・」潤む。マロンの迫真の演技に圧倒している。

  俺の横で、如月先輩の瞳から。涙が零れていた。アーモンド色の瞳から

  キレイな涙が零れていた。そんなに感動的な話ではないと思うが。

  具体的に、どんな風に守っていたのか。全くわからないし。

  それに、俺は三人の事を守っていないのに・・・・・・。

  俺はまだ、引きずていた。あの日の散歩での事故を未だに

  引きずる。そんな、暗い顔をしている。俺の横に立つ。

  マロンが、俺の耳元で囁く。「旬くんの事は、私が守るからね☆」

  息を多めに吹きかけ。俺の耳元で囁く。マロンのいたずらっ子ぽい。

  笑顔が、可愛いかった。

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