ここでの抱きつきはダメだろう

「ねぇ、ねぇ、犬塚さんは、もうどこの部活に入るか。

 もう決めたの?」クラスの男子が、茉莉とふゆとマロンに

 集まっていた。「えぇーとー。私は、走るのが好きだから。

 陸上部?がいいのかな?」犬の時に、近くのドックランで

 縦横無尽に走りまくる。茉莉は、陸上部と答えた。

「私は、寒いから。どこにも入らない」寒いのが嫌いな

 ふゆは、帰宅部と答えた。そして、マロンは

「私は~旬おにと一緒の部活がいいなぁー」俺と一緒の

部活と決めたらしい。マロンが、俺の方に笑みを向けた。

俺は、窓の方に顔を背けた。「むーうー」と膨れる。

マロンの顔が窓に反射していた。「じゃあー茉莉さんは

俺と一緒の陸上部だね。今日の放課後に、見学にくる?」

茉莉が、陸上部と答えて、歓喜している。陸上部の鈴木。

いや、男子と女子は練習場所違うから。うちの高校の

陸上部は、男子と女子とで練習場所が違う。これは、昔

某陸上部OBが、女子が練習している姿に見惚れて。

砲丸が、足の指にぶつかる。悲劇が起きたらしい。ちなみに

足の指が折れ。その年の大会には出れず。顧問の先生に

怒られたみたいで。以後、このような事が起きないように

男子と女子とで、練習場所を分けたらしい。(諸説あり)

だから、鈴木よ。お前は、茉莉と一緒には走れないだぞ。

と俺は心の中で思った。「ふゆさんは、部活には入らないのか・・・・・・

じゃあー放課後に、カラオケにもいかない?もちろん。他の子も

誘ってさぁー」完全に、下心を露わにする。クラス一の変態の三野。

だが、その下心を知ってか。知らずかはわからないが。

(いや、多分だけど。わかってはいないなぁ)ふゆは早口で

「嫌だ。寒いから。早く、家に帰る」「そうか・・・・・・だうだよねぇ」

ふゆの冷たい言葉が、クラス一の変態の三野の心臓に刺さる。

「マロンさんは、旬と同じ部活かーえぇーとー確か、旬って

 何の部活だけー」と大声で、俺に聞く。応援団の大野。

 俺は、席から。大野よりも大声じゃない。ボリュームで

「俺は、家庭科部だけどー」と答えた。「あぁーそうだったなぁー」と

応援団の大野が大声で返してきた。(いや、大声じゃなくてもいいから)

「ふーんー。そうかー旬おにーは、家庭科部かー」マロンが、頬に人差し指をつけ。

俺の方に、何かを企む表情を見せてきた。俺は、なぜか背筋がゾッとする

感覚を覚える。すると、マロンが小走りで、俺の席に向かってきた。

「じゃあー。私も、旬おにーと同じ家庭科部にするー」と俺に抱きついてきた。

 その感触は、犬頃のモフモフな感触ではなく。人間の年頃の女子特有の

 柔らかった。その光景を見ていた。クラスの男子共の視線が痛かった。

 俺は、心の中でこう思った。(いや、ここでの抱きつくのはダメだろう)

そう思う。俺にお構いなく。マロンが、更に体を密着してきた。

あぁーでも、なんて柔らかいんだ。俺は、マロンに抱きつかれ。

まんざら悪くはないと思った。

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