薄味のクッキー
(あぁーなんて、なんて、気持ちいいんだ・・・・・・)
昔、犬に顔をペロペロと舐められるのが好きだった。
少し、ぐちょとした。ベロの感触が気持ちよくて。
あぁー俺もいつか犬を飼えたら。毎日のように
愛犬に顔を舐められたいなぁー。そう思っていたのが
懐かしく思える。今、この状況を考えると。あの三人が
犬だった頃が懐かしいよ。俺の部屋で、俺は元ロングコートチワワの
現在は、美少女のふゆに人生最初のキスをされた。まさか、ファーストキスが
元愛犬で、現在は美少女に奪われるとは。そんなの夢にも思わなかった。
体感で、二分ぐらいのキスをしていた気がした。ふゆは、そのまま
自分の顔をゆっくりと、俺の顔から離れ。そのまま俺にこんな事を
言ってきた。「旬お兄ちゃんも、これで暖かくなったよねぇ」小首を
軽く傾け。微笑する。そのふゆの表情が可愛いかった。俺はゆっくりと
息を肺に送りながら。大きく深呼吸をしてから。ふゆの顔を見つめ。
先ほど、キスをされた。唇を開く。「お前、いきなりするなよ~」
(いや、いきなりじゃなかったら。いいのか?)「ごめん。旬お兄ちゃんも
寒いかなぁーって。思ったから・・・・・・。私も寒いから」俯く
ふゆを見ながら。俺は、再び。大きく息を吐く。「はぁーまぁーそのー
あれだなぁ」「へ?」「そのーさぁーなんか、いいもんだな。キスって」
(いや、お前は何が言いたいんだー)心の中で、自分の発言を嘆く。
こう言う時って、なかなか。言葉って、出ないんだなぁー。
自分の語彙力のなさに、絶望を感じ。俺は、また深めな溜息を
吐き出した。すると、そこ光景を見た。ふゆが、左手を口許に近づけ。
優しく話だした。「また、しようねぇ」と可愛い声で言った。
顔を真っ赤にさせて。「おぉ、おう」と歯切れの悪い。返事をした。
「おーいーふゆーご主人様―」廊下側から、元気娘の
の声が聞こえる。すると、部屋の扉をガチャと威勢よく開ける。
「どうしたんだよ。茉莉」動揺隠せない。震えた声で、茉莉の方に
体を向ける。「今、下でママさんが、クッキーを焼いてくれました。
だから、二人も食べません?」茉莉が、小皿でクッキーを数枚
持ってきてくれた。「クッキー。食べる」ふゆが食いつき。
物凄い速さで、茉莉が持っていた。小皿を奪い取り。そのまま
クッキーを口に頬張る。
「そう言えば。ふゆって、クッキー好きだったよなぁー犬用の」
犬の頃のふゆは、犬用のほとんど味がない。クッキーが好きだった
事を思い出す。あの時のふゆは以上な食いつきだった。そんな事を
思っていると。茉莉が持ってきた。クッキーを秒で完食した。
「こっちの方が好き」
「まぁ、犬用のクッキーは、薄味だからなぁー」
クッキーを完食した、ふゆは、再び。俺のベットに向かって
歩き。そのまま寝てしまった。「って、俺のベットで寝るなよなぁ」
呆れた口調で、言いながら。俺は、小皿を持ち。茉莉に声をかける。
「まだ、残ってるか?クッキー」「はい。まだ、たくさんありますよ」
「ふゆも寝ちゃし。今日は、ソファーで寝るよ」茉莉にそう言って。
俺と茉莉はリビングに降りた。ふゆに全部食べられた。クッキーを
食べに。「いただきますー」クッキーを口に入れ。食べていると
横にいた。茉莉が微笑みながら。「美味しいですか?」
と聞いてきた。俺は、正直に言った。「なんか、このクッキー
味薄くない?」「そうですか?」小首を傾げる茉莉には
申し訳ないが。今日のクッキーは味が薄く感じた。
だって、さっきのふゆとのキスの方が、このクッキーより。
甘く感じたから。世の中には、クッキーよりも甘いものが
あるのかと。感じた日だった。続く
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