第8話学校で、愛犬たちが人気者になりました

「一体。どうして、こうなったんだ・・・・・・」いつもより

 教室内7が騒がしく感じる。これは、気のせいなのか?

 いや、違うなぁ。これは気のせいではない。これは、確実に

 お前らが原因だろう。登校初日に、うちの子たちが教室内で

 同級生に囲まれていた。それを蚊帳の外で眺めっている。

 俺は、深い重めの溜息を吐く事しかできなかった。

「ねぇ、ねぇ、茉莉ちゃんって。どこで、髪をやってもらてるの?」

「えぇーとー確か・・・・・・ペットライフルでやってもらってます」

 いや、そこはペットショップに併設されている。ペットのサロンだから。

 「あの・・・・・・ふゆちゃんは、どんな男が好みですか?」

 「暖かい人がいい。寒いから・・・・・・」それは、暖房として

  適している人の事だろう。そういう意味じゃないぞ。

  「マロンちゃんって、彼氏とか。いるの?」

  「う~ん。今は、いないけどー。好きな人はいるかな?」

   なぜ、今、俺の事をチラッと見たんだ。心の中でツッコミを

   入れつつ。今、起きっている。状況を整理する事にした。

   俺と茉莉とふゆとマロンは、同じクラスになった。

   ちなみに、三人は父が、孤児院で連れ来た。幼い頃に

   親を亡くした。悲しい過去を持つ。三人と言う設定らしい。

   その設定を考えたのは。俺の父である。そんな理由で

   三人は、うちの子になり。高校も、編入扱いになっていて。

   今日が、登校初日を迎える事になった。最初は、教室に入る前は

   三人共。かなり緊張していたが。三人の姿を見た。クラスの連中の

   目を輝かせ。一斉に、三人の元に駆けよった。まるで、ご主人様に

   呼ばれ。猛スピードで駆け寄る。犬たちみたいだ。まぁ、当の本人たちは

   元犬なんだけどね。三人に群がる。クラスの連中を担任が大声で

   一喝をする。「ほら、お前たち。席に着きなさい。全く、三人とも

   困っているだろう」「ううん。全然、大丈夫ですよ」「うん。ちょっと

   びっくりしただけだし」「私も、全然平気だよー」「そうか。そうか。

   それならいいんだけどねぇ」先生の不気味な笑みに、クラスの全員が

   引いている。ちなみに、担任の小野先生は、大の犬好きである。

   「よし、じゃあー三人の席はー」「犬塚茉莉いぬづかまりは、

    旬の隣の席に。ふゆさんとマロンさんは・・・・・・」あっ!

    もう一つちなみに。三人とも俺と同じ苗字なのは。親が養子として

    三人を迎えたから。つまり、三人は、俺の義理の妹になるわけだ。

    担任の小野先生の一声で、騒ぎは収まり。三人は、小野先生の指定通りに

    席に着く。窓際の席の俺の隣に茉莉が座る。ふゆは、寒がりなのに。

    居室の扉の近くで。なぜか、膨れ面のマロンはど真ん中のの席に

    それぞれ着いた。俺の隣の席に座る。茉莉は、俺の方に顔を向けて。

     いつもの元気な笑みを零し。俺に一言。「これから、同級生だね。

     旬お兄ちゃん」と俺の事をお兄ちゃんと小声で言う。

     やめてくれ。そんな可愛い声で、お兄ちゃんって。言うのは

     反則だから。顔が熱くなり。俺は、窓の方に顔を逸らす。

     窓に薄っすらと見えたのは。羨む表情で、こちらを見つめる。

     ふゆの姿だった。「いいなぁ。私も、旬の所がよかった。

     だって・・・・・・旬の体暖かいから・・・・・・」窓越しに

     見える。ふゆの表情は可愛いかったなぁ。

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