第5話ケーキよりも甘い関係とは

「とりあえず。明日から、旬の通っている。高校に編入の手続きは

 したから」食卓を囲んで、母が嬉しそうに報告をした。

 「私達も、ご主人様と一緒に学校に通えるですか?」

 「えぇ、そうよ。だって、三人とも旬と同年齢ぐらいでしょう」

 「そうか。お前ら、人間の歳だと。そのぐらいかー」味噌汁を

  啜りながら話す。俺を見つめる。三人の眼差しは輝きを

  ましていた。「学校って、寒いのかな?寒いの苦手なんだけど」

  「旬くんと同じクラスになれるかなぁ~」ふゆは、学校への

   寒さ具合が気になっていて。マロンは、相変わらず。

   俺の事を名前呼びだし。それに、マリの方はと言うと

   「これで、茉莉マリって読むのですか?」「あぁ、そうだよ」

    自分の生徒手帳を眺め。自分の漢字での名前に、目を輝かす。

    茉莉の姿を横目で見る。「三人の養子縁組の申請の時に

    パパが漢字での名前にしたんだよ。まぁ、ふゆちゃんと

    マロンちゃんはそのままだけど・・・・・・」恐らく

    茉莉だけで、考えるのがめんどくさくなったみたいだ。

    と、母が俺の耳元で囁いてきた。「ありがとうございます。

    パパさん」「あぁーいい響きだー。ねぇ、茉莉ちゃん。

    もう一度。言ってくれない?」はい。ありがとうございます。

    パパさん」「何をやってるんだ・・・・・・」呆れた顔で

    父のデレッとした。緩む顔を見つめる。俺に、母が再び。

    耳元囁く。「昔からの夢みたいなの。娘にパパって

    呼んでもらうのが」「なんじゃそれは・・・・・・」

    呆れた顔で、父から顔を逸らし。その後、俺は黙って

    空のご飯茶碗を台所に片付けた。夕食の後、俺の部屋に

    当たり前のように入ってくる。三人に、俺は今後の

    生活について。話だす。「いいか。今後は、三人で

    一つの部屋で寝ってもらうから」「えぇー何でー」

    納得がいかない。表情で、俺を見つめる。マロンに

    俺は当然の理由を述べる。「前だったら。俺の部屋で

    寝っていたけど。(犬の時の話です)今は、そう言う

    わけにはいかない」「どうしてなんですか?ご主人様」

    今度は、茉莉が聞いてきた。「まぁ、それはだなぁ

    今の三人は犬じゃないからだ」「犬じゃないとダメなの?」

    ふゆが、小首を傾けて聞いてくる。「まぁ、これは

    非常に人間的な考え方なんだよ。いいか、君たち。

    今から、俺の話をきくんだぞ」「「「はーい」」」

   「いいか。年頃の男女が一つ屋根の下で一緒に

    寝るといいのは。双方によくない。ことが起きるんだ」

    「なにが起きるんですか?」「まぁーその・・・・・・

     なんて言うか・・・・・・アレだよ。アレ」

    「アレって何?」「だからさぁ。アレだよ。アレ」

     ヤバイ。額からでる。汗が止まらない。生唾を飲み込み。

     深く深呼吸をして。アレについて。三人に説明をしようと

     した。その時、母の声がリビングから。聞こえたみたいで

     茉莉が大きな声でふゆとマロンに声をかける。「ふゆちゃん

     マロンちゃん。ママさんが、ケーキを一緒に食べましょう

     だって」「ケーキ。食べたい」「私も食べたいー」三人は

     そろそろと部屋から出ていった。「俺の話を最後まで

     聞いてから。食べにいけよー」三人のケーキへの欲望に

     負けた。俺の話は中断された。「まぁ、ケーキを食べたら。

     続きを話せばいいか。さて、俺もケーキを食べに行くか」

     俺も三人続けて。一階のリビングに降りようとした。

     その時だった。「旬くん」「おぉ、マロンか。何だ

     どうした?」マロンが、俺の部屋に戻ってきた。

     「旬くんのさっきの話を聞きたくて・・・・・・」

     「あぁ、それはケーキを食べてから。話すよ」

     俺が部屋を出ようとした。次の瞬間。マロンが

     俺の体を推し出し。押された。俺は、ベットに

     倒された。「いきなり。どうした?マロン」

     マロンが、ベットに倒れた。俺の体の上に

     跨り。顔を俺の顔に近づけ。俺の耳元で囁く。

     「この事を言いたかったでしょう」「はぁ?」

     マロンの顔が近づき。俺の頬を小さな舌で

      ペロッと舐めだした。「ねぇ、旬くん。

      今から、私と男女の関係にならない?」

      マロンからの誘いに生唾を飲み込む。俺の吐く

      呼吸は早かった。思春期の男子高生に

      その言葉はダメだろう。あんなに小さくて

      可愛いかった。トイプードルだったのに

      (人間の姿も可愛いけどさぁ)

      これは、ケーキところの騒ぎではないなぁ。俺は、今から

      ケーキよりも。甘い関係になろうとしていた。まさかだよ

      美少女化した。愛犬だった。一人に誘惑されるなんて。

    

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