翌日、古賀はホテルの朝食を終えチェックアウトのために荷物をまとめていた。その時、編集部から古賀に電話がかかってきた。

『もしもし、古賀くん？実はお願いがあってね…。』

「なんでしょう？」

『昨日送ってくれた長者ヶ崎の文章、とてもよかったんだけどね…。あれだけじゃあ、ネタ不足なんだよね……。なのでもう一つ、どこか観光地を巡ってくれないか？』

古賀はまさかと思った、あの文章には自信があったし、今日は千葉県か茨城県にでも行こうかと考えていたところだった…。

「……わかりました。」

『助かるよ〜、それじゃあよろしく。後、編集部に何か神奈川の土産買ってきてくれる？』

「仕事以外は受け付けません」

古賀は憮然とした態度で通話を切った。

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