第8話散髪·東京都狛江

光井の家で三十分充電した後、出発した古賀だったが、それから十五分経つとまたバイクの充電がなくなってしまった…。

「あーあ、また充電切れだよ……」

古賀は再びバイクを押した、すると「カッティー」という店名の古い理髪店が目についた。

「あそこで散髪ついでに、充電できないかな…?」

最近切らずに伸び放題になっている頭をさすりながら、古賀はカッティーの中へと入った。髪の薄い店主らしき男が新聞を読んでいたり

「すいません、お願いがあるのですが…」

「どうしましたか?」

「私は電動バイクで旅をしている古賀といいます。電動バイクのバッテリーが切れてしまって、充電をお願いしたいのですがいいですか?」

「充電…?」

「コンセントがあればいいのですが…」

「それならいいよ。」

「ありがとうございます!」

「充電してる間、髪切る?あんたずいぶん伸びてるね。」

「ありがとうございます、最近切ってなくて…」

古賀はバッテリーをコンセントに差してもらうと、自分の頭の散髪を依頼した。

「しかし電動バイクで旅なんて、ロマンだね〜」

「いえいえ、大変なこともありますよ。もう充電切れなんてしょっちゅうですし。」

古賀と店主は親しげに会話しながら、散髪していった…。

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