第7話近くて遠い·東京都調布市

三鷹から電動バイクを走らせている古賀、なんとか神奈川へ行きたいがバッテリーの充電が大ピンチになっていた。

「えぇっ!今朝充電したのに……。」

そして電動バイクは徐々に遅くなり、完全に停まってしまった。

「オーマイガー、停まった。」

仕方なくバイクを押す古賀、どこかに充電できそうなところは……。

「あの、どうかしましたか?」

古賀に声をかけたのは、オールバックヘアーの男。

「実は電動バイクの充電が無くなって、どこか充電できる場所を探しているのです。」

「へぇ~、その充電ってコンセントあればできる?」

「え?もしかして充電してくれるの?」

「いいよ、家近いから。」

「ありがとうございます!」

それから男は古賀と一緒に、男の家までバイクを押してくれた。

「私は光井といいます。」

「古賀です、助けてくれてありがとう。」

「ところでどこへ行く予定ですか?」

「神奈川へ行く予定です。」

「ここからだと車で三十分だね。」

まだまだ神奈川へは遠いようだ…、と古賀は実感した。

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