第3話Bar·東京都千駄木

暗くなりかけた頃、古賀の電動バイクは充電が切れそうになっていた。

「ヤバい、今夜の宿見つける前に充電が……」

そして古賀の電動バイクは停まってしまった。

「なーんてこった…」

古賀は電動バイクから降りて、押し始めた。乗っている時は楽だが、押して歩くとキツイのが電動バイクだ。千駄木の町中を押していると、ふと路地裏にあるBarが目にとまった。

バイクを停めて中に入ると、自分の妻と同い年くらいの女性がカウンターでビールジョッキを拭いていた。

「いらっしゃい、席へどうぞ。」

「あの、お願いがあるのですが…」

「なんなの?」

「私、古賀といいまして電動バイクで旅をしているんです。しかしバイクの充電が無くなってしまって、こちらで充電をお願いしてもいいですか?」

「充電…、コンセントがあればいいの?」

「はい、そうです。」

「いいわよ、店の奥にあるから。」

「ありがとうございます!」

そして古賀は電動バイクのバッテリーを持って、Barの中へ入った。

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