第4話酒無しつまみ·東京都千駄木(2)

充電している間、古賀はジンジャーエールを飲んでいた。こういうBarでは日本酒かウィスキーをいただきたいが、バイク乗りなのでそこは残念だ。 

「ご飯、まだでしょ?何か頼む?」

「おぉ、ママさんの料理だ!いやぁ、久しぶりだなぁ…」

いつの間にかとなりに白髪混じりの男が座っていた。

「あんたにじゃなくて、古賀さんに聞いてるの!」

「じゃあ…、唐揚げをお願いします。」

唐揚げを調理している間、となりの男は古賀に話しかけてきた。

「あんた、見ない顔だね。どこから来たの?」

「静岡県の伊豆です、古賀といいます。」

「はぇー、観光かい?」

「いいえ、旅をしているんです。」

「そりゃ、すごい!今までいろんなところを見てきたでしょう?」

「まだ始めたばかりで…、語るものはありませんよ。」

「いやいや、あるにはあるでしょうよ!」

それから古賀と男はすっかり話に夢中になり、唐揚げが届いたことをすっかり忘れていた…。

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