⑯明日への扉
青鬼の
トトと青鬼たちは
戦い
その
しかし逃げ切る直前になって、赤鬼の
貿易船と
しかも
指揮官は
波のない穏やかな海を赤鬼の
この瞬間に
それでも種族の差は
まともに組み合っても叩き
二人がかりで
もしくは
そして分が悪くなればパッと一目散に
組には船乗りを必ずひとり混ぜ、
場外ではトトが
――彼らは善戦した。
一度は
しかしながらひとり、またひとり
昨日まで
戦士でも
だが、
この場の誰もがわかっていた。
悲しみと、怒りと、恐怖におぼれながらも、彼らはあらがわなければならなかった。
ここで足を止めてしまえば、先に死んだ者たちの命がそれこそ無意味な
甲板が赤い
しかし正常な思考を失っていたのは、彼らだけではなかった。
彼らとて、好きで同胞をあざむいたのではなかった。
敵味方入り乱れた
しかし最後に勝敗を分けたのは、やはり
* * *
「面倒かけやがって、夢は
赤鬼の
くぐもった
航海士は息を
生き残った青鬼の数は半分以下になっていた。
武器を取り上げられ、ひとかたまりに集められた彼らへ、
当然、本国へ送り返すなどという
「まったく馬鹿の考えることは理解に苦しむ。大人しく
やがて
両足を斬り落とし、腕をもぎ
正気とは思われぬ
ひとりの青鬼が前へと引き
青鬼たちの心から絶望と
受け入れがたい
しかし、もはや彼らに成すすべなどない。
「待ちなさい!」
ここから少し離れた
「姿が見えないと思えば、そんなところでなにをやっている。レイラ」
ダネルがややイラだった口調で問いかけた。
返事を待たずとも、彼女の
「今頃になって寝返りか? お前はもう少し
「そうやって
そう言って、レイラは日焼けした分厚い紙の
なぜだかそれは、ダネルの手の中にある
「やっぱり、こっちが本物みたいね」
「なぜ、それを……!?」
「用心深い
ざわめきが起きた。
どういうことだ、と赤鬼たちから問い
しかし彼もまた現状に理解が追いついていなかった。
計画の
「言ったでしょう、私は自分の欲しい物を手に入れるって」
「貴様っ」
「探し物の才能は、私の方が上だったみたいね」
男の赤ら顔が
レイラは口の端を引き上げて、
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