⑮激突
「お前の殺しそこねた男は、ここにいるぞ!」
高い金属音が立て続けに響いた。
互いに
息もつかせぬ攻防は示し合わせたように互いの
『
「なんだ!」
『死ね!
「嫌じゃ!」
どこか
すでに
そんなほの暗い
先に押されはじめたのは
生きるためには
あの夜もそうであった。
結果として先に死んだのは
腹を
あの時の光景をなぞるように、
対して黒い
長引けば長引くだけこちらが不利である。
しかし
一手を
そして、
彼の知っている
しかしながら、この
決定的な一打を放つ瞬間、ただ一点、首ばかりを
もともと殺しに対するこだわりが強い男ではあったが、これはそういう次元の話ではない。今の彼は、死んだ瞬間の
その事実が、
「それがお前のなりたかった姿か」
なじるような問いが出かかり、すんでに噛み殺す。
ならば、もうかける言葉などない。
しかしどんなに
そして
――あの宝石のような種だ。
直後、ヘドロから一本の刃が
しかしこれも
馬鹿のひとつ覚えに
パキリ、とかすかな音をたてて、種は粉々に
その瞬間、床に広がっていた黒いヘドロがざわりと
――
最後に残されたヘドロに小さなのっぺらぼうの口が開き、
「――……願わくば、お前の行く道に、
消えゆく寸前までひねくれた笑みを
ヤツらしい、どうしようもない
「次の世ではせめて、笑って暮らせ」
穏やかに
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