⑦一難去ってまた一難
岩壁を
かじかんだ手を
しとどに濡れた体に生温かな空気が
「はっ、鬼のお次は
なんにしても気色の悪い化け物だった。
淡く透きとおるそれを指先でつまんで、しげしげと眺める。
一体これはなんの種なのか。
砦の奥底に隠されていたのだから、価値あるものだとは思っていたが、まさか得体の知れない化け物すら脇目もふらず欲しがろうとは……。
そんなとりとめのない思考を
この耳ざわりな甲高い声は、青鬼の少女に違いない。
「いかん、金ヅルが」
陽は
どうやら化け物と取っ組みあっている間に、島の裏側まで流されたらしい。
レイラの無駄によく通る声が、船と衝突した島の正面付近から響いていた。
海面からやや離れた位置に、ひらけた場所がある。そこに黒々とした人影がうごめいていた。
「なんじゃアレは……」
彼女たちもまた、得体の知れない生き物と遭遇していた。
「
しなびた海藻が絡みついたタコの頭部に、金属の防具をつけた人体。
青白い手には三つ又の
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