いざ制作!

俺は筋肉さんがやってくると説明を始める。


「まずはみんなに木を集めてもらいたいんだ。この中で文字が読める、書ける人は?」


「私はできるわ」


元気よく手を上げたのはお母さんのほか数名だった。村長の仕事の手伝いとかしていたのだろう。

ただノエル?君は読めないし、書けないでしょ?お母さんの真似をしなくていいからね?


「了解、じゃあみんなは適当に木を集めて俺に渡してほしい。加工は俺がする」


「それよりもアルス、何を作りたいか言ってくれないと私たちが困るじゃないか」


他の村の人たちも頷く。確かにそうだ。説明をし忘れていた。


「俺が作るのは文字を並べて遊ぶおもちゃと大人が楽しめる娯楽を作るんだ」


「ほう?どんな感じなんだい?」


「お母さん、文字ってどんなの?全部で何個ほどある?」


「そうね…例えばだとこれはイノシシね。全部で何個かは分からないわ」


俺がどんな文字か見るとそこには三角形の中に丸があるものと漢字の二があった。なんじゃこれ。


「それを並び替えたら言葉って出来る?」


「出来るわね…あっもしかして文字遊びをさせるってこと?」


お母さんは賢いのか、俺の考えていることが分かったようだ。俺が考えていたことは文字遊びをさせることで学びながら遊べるおもちゃだ。

それの基礎が出来たわけだ。


「そういうこと。みんなって文字は普通に読めるように出来たら嬉しい?」


「そりゃ嬉しいさ!基本は出来ないからね!」


「それをできるようにするおもちゃを作るんだ」


なるほどと村の人たちは俺をすごい人のような目で見る。とは言っても、前世であったやつだけどな。必殺技を作るみたいなやつを持ってたんだ。


「それともうひとつは娯楽。結構簡単だよ?」


「へ〜…それってどうやって遊ぶんだい?」


「まずは…の前に薄くて丈夫な材料を集めよう。話しながらの方がいいでしょ」


「そうだね、みんな!使ってない布とかあったら持ってくるんだ!あとはなにか固いものもいるね。とにかく何かしら持ってくるんだ!あたいは入口を監視をしとくからね!村長が来たらボコボコにしてやりな!」


はい!と元気よく筋肉さんの後ろをついていくみんなに俺は少し恐怖を感じる。絶対悪いことをしないでおこう。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


みんなが戻ってきた後、俺たちは制作に移り、俺の考えている娯楽を2つほど完成させた。


「これで完成!」


ノエルは俺が完成するまで俺の正面からはから動かず、俺の事を見ていた。たが、ノエルからの眼圧が凄すぎて、俺は震えが止まらなかったがな。


「それって何?何か丸い窪みが何個かある感じだけど?」


「これはサイコロだよ。それを2個用意して…こうする!」


ほかの人たちが持ってきた木のコップを持つとコップの中へと放り投げる。それを床に叩きつける。


「丁半駒…揃いました…イチとゴの丁!みたいな感じでね。まぁどんな感じなのかは後で教えるけど、これで賭け事をするね」


「へぇ〜大人な遊びだね」


「じゃあ次のはノエルも遊べるものだから、一緒にやろっか」


「うん!じゃあアルスとの結婚を賭けるね!」


「そうそう、これは賭け事じゃないからね。結婚はしないよ」


「チッ!」


なんでこいつは結婚をしたがるんだ?俺、何かしたかな?俺は木を重ねつつ、過去を振り返る。

…ダメだ。森が綺麗しか出てこない。

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