新しい娯楽とおもちゃ
はっ!危ない危ない。危うく手を出すところだった。これは失敬。もっとスマートにいかないと。
「お義母様、家に火をつけませんか?そうすれば出てくると思いますよ?」
ちょっとノエルさんや?俺よりも邪悪なこと考えてませんか?火って…木造だからよく燃えるだろうけど、さすがにダメなんじゃないですかね?
「それはいい考えね!みんな!
お母さん?ちょっと待ってくれません?ノエルの意見を聞いて、すぐに行動に起こすのは違うと思うんです。俺もそうだったけどさ。
「お母さんにノエル。ちょっと落ち着こうか。怒る気持ちはすごい分かるからさ」
「アルスに呪われた指輪を送りたかったのに…」
「ノエルちゃんに花嫁道具を渡したかったのに…」
「結婚させる気満々じゃん。ノエルに関してはダメでしょ。呪われてる指輪って俺、二度と取れなくなるじゃん?」
「え?取らせないよ?」
ノエルは俺の顔を真顔で見つめる。もし指輪を渡された時はノエルにつけさせよう。
「…まぁその話は置いといて。まずはお金を稼ぐ方法を考えようよ」
「とは言ってもねぇ。あたしたちの村にあるのは木と土ぐらいだからね〜」
筋骨隆々の女性が頭をかく。確かに村にあるのはそれだけしかない。ただ俺には前世の記憶がある。
お金を稼ぐなら俺に任せてくれ。
「じゃあさ、みんなにお願いしたいことがあるんだけど、ここじゃなんだし別のところで話そうよ」
「おっ?なにか考えたんだね?よし、アタイの家に来な。あそこなら大丈夫だからね。じゃあみんな行くよ!」
俺は彼女を先頭に家へと向かう。そういやこの人の名前、知らないんだよな。
向かう途中、ノエルが俺の手を繋ごうとしたり、抱きつこうとしてきた。離せと言いたかったが、お母さんの妨害が入り、ノエルに弄ばれることとなった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺たちは彼女の家に着くと俺たちはしばらく外で待たされることとなった。くそっ!表札がねぇ!
「どんな感じなんだろうね。お母さん」
「ん〜?ん〜♪そうねぇ〜♪」
「アルスゥ〜♪ア〜ルスゥ♪くんくん…あっ…この服欲しい」
お母さんは俺が困っているのを楽しんでおり、ノエルは俺に抱きつき、匂いを嗅いで喜んでいる。そんな光景を村の人たちは微笑ましく見ている。
子供同士の戯れとでも思っているのだろう。
「なぁ…離れ…」
「嫌」
「そですか…」
俺は諦め、空を見上げる。
今日の天気はとても過ごしやすい。雲が5割ほど空を埋めつくしている。眩しくないのもまたいい。
もし暇だったら巨木でゆっくりしてただろうな。
俺は思いにふけっていると扉が開かれる。ようやくか。
「準備は出来たから中に入りな!まずはアルスたちだな。みんなは村長が来ないか見張っててくれないか?」
みんなは家の周りにつき、配置につくと俺に合図を送る。なんて連携の取れた人達なんだ!村長、全員から信用を無くされてるじゃねぇか!
「じゃあ入るね」
中へと入ると一見普通の家に見えるが、明らかに掘りたてであろう土が家の中にあった。もしかして、掘ったの?…さすが筋肉だ!
「ちょっと待ちな、今からこの椅子をどかすからよっと!」
その筋肉を支えている椅子を持ち上げるとそこには大きな穴があった。いや、筋肉すげえな。指3本で持ち上げてるぞ。力そこパワーってやつか。
「ほらっ!早く行きな!その先に部屋があるからね」
俺たちは地下へと降りるとそこにはさっきの部屋とは比べ物にならないほど広い部屋があった。
これ、何人まで入れるんだ?…空気穴はちゃんとあるのね。ちょっとだけ空気の入れ替えをしやすいように魔法を使って…と。
「さて、2人には先に言っておくね。俺が作りたいものなんだけど」
「「それって?」」
2人は俺の話を聞くと面白そう!っと言ってくれた。これなら大丈夫か。
俺は他のみんなに説明をしやすいように言葉を考えていると全員が集まっていた。ガタンっ!と音がし、入口が封鎖された。
いよいよお金稼ぎの時間だ。
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