第64話
『こいつの命を救いたければ、それを止めろ』
と、こちらを睨んだ。
「ほう、止めれば赤龍使いへの呪いを解くと言うのか? それなら止めてやろう。だが、信用できない。お前が約束を守ると言うなら、契約を交わせ」
『分かった』
と相手は答えた。
「美鈴!」
「美鈴?」
義則が呼んでも、反応は無い。
「心配するな。死んではいない」
隼人が美鈴に近付き、後頭部へ手を
「叔父さん、こいつを処分してくれ」
隼人が言うと、
「うん」
と言って、その虫を浄化した。
「終わったんだな?」
義則が聞くと、
「ここはな」
と隼人が答えた。
「どういうことだ?」
義則が聞くと、
「佐々木の式神が来ている。黄龍が襲われている」
と隼人は厳しい顔で言った。
「何だって⁉」
外での戦いも終わっていて、
「赤龍、とんでもなく強いな」
峰人が言った。相当派手な戦いだったらしく、美しい庭が酷い有様だった。
「
「そうか。お前ら、ありがとうな。美鈴も無事だ。だが、悪い知らせがある。間宮が襲われている」
義則の言葉に、一同騒然とした。
「俺は行く」
後ろを振り返って、隼人たちを見ると、彼らも頷いている。
「お前たちは、もう戦えないなら来るな」
義則はいつになく厳しい表情で言った。黄龍を襲っている者が、更に手ごわい相手だと皆が理解した。
「よっしー、あたしはお留守番ね」
「ああ、そうしてくれ」
と義則が言う。
「私の火の鳥は癒しの力があるの。でも、戦闘向きじゃないから、私も行かない」
「僕は絢ちゃんを守るのが使命だから、絢ちゃんの傍に居る」
と雪兎。
「俺はまだ戦える。黒の戦士を呼んで駆け付ける」
と
「おう! さすがみねちゃんだな。頼りになるぜ」
義則が言う。
「そろそろ行くぞ」
隼人が言う。出発の準備が出来たようだ。
「ああ、行こう。お前ら、みんなを乗せて、間宮んちへ行くぞ!」
義則は銀色の犬たちに言った。ワオーン、と一声吠えて、犬たちは仲間を乗せて駆けていく。隼人が行くという事は、もちろん青龍も一緒だ。
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