詩 「問い」
@aono-haiji
第1話 詩 「問い」
——どこへ行く——と 問われた
その瞬間 空と大地が 言い争いを始めた
きっと人の耳に届かない 大きな声で
斜めになってるぞ
傾いているのは おまえだ
宇宙に 水平の基準はない
たった一度の始まりがあっただけだ
時間を押しているのは おまえだ
時間を喰っているのは おまえだ
終わらない空と大地の
わたしは叫んだ
問われているのは わたしだ!
おまえたちは 消えてなくなれ
消えていいのか?
おまえだって 消えるぞ
消えていい
どこへ行く と問われたことは
今の わたしが 消えるということだ
そこで 空と大地が消えた
わたしと 問いだけが残された
——どこへ行く——
終わりが美しいと思うのは幻想だ
ほんとうは
消えるということは許されていない
なぜなら
誰も始まりさえ見ていないのだから
もしかしたら ここにいるはずのない
わたしたち
それが ここにいるのは
ここに 問いがあるから
わたしたちは 常に 永遠に
問われている
その意味を見失ってはならない
わたしたちは
——どこへ行くのか—— と
詩 「問い」 @aono-haiji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます