第11話
「どんな要件でしょう。。アリナ・フォン・クラストさん。」
今、俺達ははじいちゃんの執務室に居る。アリナはじいちゃんに用があってきたらしく。今は仕事モードだ。
「本日はリョータ・サトウさんとの婚約を成立させるため、伺いました。」
は?仕事といっても結局は俺のことだったのか?なんでこのタイミングで。
「どうしてこのタイミングでいらっしゃったのか、理解に苦しみます。」
あくまでこれはアリナとじいちゃんの話し合いなので俺は口出ししては行けないのだが、じいちゃんが代弁してくれた。
「私は、つい先日スキルを授かりました。
その結果、仮領主として領地にいた兄の代わりに、私が領主となることが決定しました。
そのため、婚約者が必要となったので、サトウ家の方々との親交を深めるためにも、リョータさんがふさわしいと思いました。」
え?俺、貴族になるの?領主?情報量が多い。
「リョータさんには、領主の仕事の補佐をしてもらうので、3年後、王立貴族教育院に、入学してもらい、それまでの間はクラスト家で貴族のマナーを覚えてもらいます。」
貴族のアリナに言われた時点でもう決定事項だ。でも、何か文句をいわせてほしい。
「何で俺なんだ?」
先程の条件なら、俺以外でもいいはずだ。
「完全に私事ですが、私はリョータさんに好意を寄せています。そして、リョータさんは家
族の方との仲もよろしいので。」
なるほど、打算6割本音が4割ということだ。
「わかりました。では、いつお伺いすればよろしいでしょうか?」
「家族との挨拶や準備が必要でしょう、1週間後に迎えに上がります。」
猶予をくれるのはありがたい。
リビングに行くと、神妙な空気が部屋の中に充満していた。しかし、その空気をぶち壊しにきた人がいる。兄貴だ。
「リョータ!!婚約が決まったと聞いたぞ、よかったな!」
いま俺の背中をバンバン叩いてきてるのが要兄貴だ。空気を読んでくれ。
それを皮切りに家族のみんなも取り囲んできてくれて、大変だ。
「サトウ家から貴族に行く奴が出るなんてな。驚いたぜ。」
「いってらっしゃい。頑張ってね。」
泣いてる人から、笑ってるひとまでいる。
神妙な空気なんて似合わない。やっぱりこれが一番だ。
一週間後
クラスト家から迎えの馬車がきた。
「みんな... 行ってきます。」
俺はみんなに挨拶をして馬車に乗り込んだ。
これで1章は完結です。2章も来週から投稿するのでよろしくお願いします。
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