2分10秒小説『北風と太陽とミニスカート』

 荒野を一人行く旅人がいました。旅人は女の子でした。とても短いスカートを履いています。それを見て太陽が言いました。

「ねぇ、北風くん」

「なんだい?太陽さん」

「僕と勝負をしないか?」

「勝負?どんな?」

「”どちらがあの子のスカートを脱がせることができるか”」

「ふーん、面白そうだね。でもいいの?」

「何が?」

「絶対に僕が有利だよ?だって僕北風だよ?」

「そう思うかい?じゃあ勝負するね?」

「当然!何を賭ける?」

「そうだなぁ、敗者は勝者の言うことを何でも一つきくってのはどう?」

「いいねぇ、じゃあまずは僕から」


 北風はビュウビュウと強い風を吹かせました。女の子は突然の風に驚いて必死にスカートを抑えました。しかし、風が強すぎてどうしてもスカートが捲れてしまいます。白く透き通った太ももが露わになり、純白のパンティーがチラリと見えました。

「あと一息だ!」

 北風が躍起になって風の威力を強めると、女の子は必死にスカートを抑えます。北風が頑張れば頑張るほど、女の子は強い力でスカートを抑えてしまい、結局北風は、女の子のスカートを脱がせることはできませんでした。

太陽がフフンと笑い「今度は僕の番だな」。


 太陽はギラギラと照りつけました。女の子に向けて熱い光を容赦なく浴びせます。女の子は――。

「あっつーい」

 と叫び。あっけなくスカートを脱いでしまいました。脱いだのはスカートだけではありません。余りの暑さに耐えかねて、コートもシャツも脱ぎすてパンティーとブラだけの下着姿になってしまいました。それを見て太陽が勝鬨をあげようとした瞬間、二人は気付いてしまいました。

 そうです。

 下着だと思っていた女の子の白い肌着は、実は「水着」だったのです。これには二人ともがっかりしました。そうして太陽がポツリと言います。

「北風君、この勝負は君の勝ちだ。だって僕はスカートが捲れたあの瞬間にこそ、最高の興奮を感じたのだから……」


 北風は釈然としない勝利に顔を顰め、生ぬるいため息を少女の上に吹かせました。


実のところ

二人とも敗者なのかもしれませんね

というお話です

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