1分20秒小説『危険です!』
「危険です!危険です!」
携帯に手を伸ばし、タップしまくる。夜中の3時?
「危険です!危険です!」
天井から声。見上げると火災感知器が点滅してる――誤作動か?誤作動だよな?
「危険です!危険です!」
どうしたらいんだこれ?まずいぞ近所迷惑だ。くそっ、本体をいじるしかないのか?どこかにスイッチかなんかあるんだろきっと。
「危険です!危険です!」
もう勘弁してくれ!椅子、椅子、なんでもいいから踏み台になるもの……やっぱ椅子でいいや。コロ付きだけど慎重にやれば大丈夫だろう。
「危険です!危険です!」
うるさいなぁ!こうやってそっと乗れば――ほら、大丈夫だ!電気くらい点けて作業すれば良かった。ま、いい、さっさとこいつを止めて寝よう、明日早いし。
「危険です!」
くそっ!とどかねぇ、あとちょっとで……え?オイ!誰だ!?椅子揺すってるのは?!止めろ!椅子から手を放せ!
床に落ちる。後頭部を強打した。「ごとっ」という擬音、頭蓋の内でファンファーレと同じ音量で鳴る。
視界がぼやける。眠りに落ちるときに似ているが、もっとずっと深い感覚――床がぎしぎしいってる。誰かが部屋を歩いている。俺の顔を覗き込んでる。
天井から声がする。
「だから言ったのに」
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