1分0秒小説『Cattusares』

 バス停に女の子が座ってる。指で拳銃をつくりジーンズの間にだらりとぶら下げて。

 ふと、年配の男性が通りかかった。彼女は物憂げに銃をもたげ、男を撃った。小さな唇ラグって開き透明な銃声。

「何してるの?」

 思わず尋ねれば彼女。

「殺してる」

「え?通行人を?」

「違うわ退屈をよ」

 僕は笑ってしまった。

「そいつは撃っても死なないよ」

「そう?」

 銃口が僕に向けられる。

「ま、待てよ僕を撃つ気?」

「ええ」

「なんで?」

「貴方が退屈の味方をしたから」

「違う僕はただ・・・」

 親指、つまり撃鉄が下りる。僕はとっさに身をかわす。

「そんな遊びは良くないよ」

 僕は彼女の足下を撃った。

「今のは警告、次は心臓だからね」

 捨て台詞して立ち去ろうとした瞬間、胸を撃たれた。

「あ、ありがとう。僕も退屈だったんだ、死にそうなくらいにね」

 倒れる僕を嘲笑う瞳、輝いてる。そうまるで猫座の主星のように戯羅戯羅。

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