収穫
「よろしくお願いしますじゃ」
「うん、任せてくれていいヨ。私の魔法の腕は一線級だからネ」
「頼もしい限りじゃ」
農園の管理人さんに挨拶を済ませ、俺たちは一緒に農園へと踏み出した。
「先輩そっちに3匹行きました!」
「おう任せろ、って、マシロ後ろだ! 大きいのが行った!」
「わわっ!? ミーアトリアちゃん助けてください!」
「心底面倒ですが私も獲物を譲るつもりはありません」
「最後に狩るつもりですか!? マシロも一緒に屍になるんですか!?」
普段の鎧を無くしたマシロは、それでも剣1本で奮闘していた。ミーアトリアも慣れた様子で手斧を操っている。
さて、俺たちが農園で何を相手にしているかといえば、収穫の時期には必ずと言っていいほど現れる農民の天敵、魔獣の
「
「さてはお前余裕あるだろ!」
また、雑食であるためか収穫の時期になると決まって農園に現れ、毎度毎度農民を困らせるのだ。
「クソッ、いつにも増して数が多いな!」
「今年は大根の出来がいいからのぉ。まだちと時期は早いがおでんにして食べたいのぉ」
「その前に生でかぶりつかれるからさっさと収穫を終わらせろ!」
「ふぉっふぉっふぉっ」
笑い事じゃねぇよ。
マジで笑いごとにならないんだよなこいつら。俺も最初は騙された。
しかし、そんな
では、どうして
「普段は結界で中に入れず、目の前に食べ物があるのにお預けにされているのは分かります! でも、だからってそのうっぷんをマシロにぶつけないでください!」
この農園を覆う結界は、すべての動物の侵入を阻害する効果を持っている。
しかし、そのすべての動物には人間も含まれ、収穫する際には解かなければならないのだ。そして収穫の為に結界が解かれた瞬間
「人間だけでも入れるような結界は作れないのかよ!」
「コスパを考えたら厳しいだろうネ。結界は条件付けをすればするほど形成が困難にナル。特に動物、なんて分類で括って侵入を阻害するだけでも大変なのに人間だけは入れるなんて条件を付けたしたら詰まるところお金がかかりすぎるんだヨ」
「世知辛い話だな!」
ハトリールの冷静な解説に躍起になりながら、そのどうしようもない怒りを
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