水たまり
文化祭が始まった。俺らはカフェで働いている。
俺らは楽だと思い入ってみたが、めちゃくちゃ疲れる。
「おい、綾。」
「はいはーい!健次郎君どうしたんですかー?」
「ちょっと材料が足りなくなったから近くのスーパーで、買ってきてくれないか?」
俺は綾に頼む。なんなら俺らは雨に濡れたくないからだ。
「どうせなら健次郎君も行かない?」
え?
「まあどうせならいいぞ。」
「でも、傘持ってない...」
え?は?相合傘?
「え?あ?相合傘?」
相合傘で行くことになった。
「ちょ...ちょっと...傘高いよ...」
「あ、あぁすまん。」
「私たち14cm差なんだから...」
ースーパーに着く。ー
「じゃ...じゃあ買いに行ってくるな。」
「じゃあその間お手洗いに行ってくる。」
「わかった。」
(私、勉強追い込まれてるなんて...言えない...
言われることは想像つくもん。怒られるか、無理やり勉強を教えられるか。どうしてもどうしても。)
「買ってきたぞ...って」
俺の目の前には雨に濡れて下着が丸見えな綾だった。
「お、おい。その格好でずっと待ってたのか!?」
「え?あぁ!どこ見てるの!」
「見てるもなにも買って入ってくるだろ!」
「言い訳しないの!」
「とりあえず俺の上着着ろ。」
「え?でもそしたら...」
「女の子の下着は気持ちわりぃ奴がガン見してくるだろ?でも男がそんなんなっても誰も興味ないだろ?」
(そんなことないよ...健次郎君...)
少し歩くと雨が止んだ。
「雨止んだね。」
「あぁ。そうだな。」
「近くの公園寄らない?」
「え?あぁ。うん。」
「私、ここの公園好きなんだよね。」
「特別でもなくて、普通でもなくて、なんていったらいいんだろう...よくわからない場所!」
綾はシーソーに乗りながら言う。
「てか。前々から気になってたんだが、最近悩んでることあるだろ。」
「え?別に...」
「正直に言ってくれ。俺はお前の...お前らの味方だ。」
綾は少し悩んだ顔をして言った。
「私、他の三人より、女らしさが少ないって感じてて劣等感を感じてるの。」
「?例えばどう言うところとかだ?」
「あんまり男の子にこういう話しないんだけど...健次郎君は頼れるから言うね。」
俺は唾を飲んで聞いた。
「私、メイクの方法とかもわからないし、他のみんなと比べて別に可愛いくないし、胸はないし...」
と半泣きで言った。
「私、こんな女でも本当にこのさき生きていけるかな?」
涙を見せてる。綾。俺はこんな姿、見たことがない。
「別に女だから女らしくとか男だから男らしくとか別に関係ないとは思う。俺は。」
綾は涙を拭いて俺の元に寄ってきた。
「そんなこと言ってくれるの、健次郎君だけ。ありがとう。ありがとう。」
綾は泣きながら俺にハグをしてきた。
「あ、綾...まあいい。綾は自分が正しいと思ったことだけをやり遂げろ。俺から言えるのはそれだけだ。」
俺は少しカッコつけてしまった。まあこう言う時ぐらいはいいだろう。
「よし。学校に帰ろうか。」
「うん。」
俺らは所々姿を見せる水たまりを横目に学校に向けて歩いた。
でも俺は秘密にしているが気づいているぞ。
お前らが俺を好きなこと。
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