名古屋と1本結び

「べ...勉強を教えなきゃいけないのか?」

「公民とかその他諸々...この人たちは理解できてないんです。」

加奈は口を開く。

「黙るんだ!てかテスト黒点ばっかのお前が俺に頼るのか?」

「...わかりました。自分なりに頑張ってみます。」

「あぁ...それでいいん...」

「しかし!この三人が次回のテストで赤点だったら!あなたが教えてあげてください!」

「あぁいいだろう。」



ーテスト返却日ー

「北西さん...教え切りました...」

加奈が目元のクマがはっきりわかる顔できた。

「か...加奈!?大丈夫か!?」

「テスト返却日だよ!健次郎君!」

「綾...」

「北西君自信ありそー」

「百海...」

「健次郎どうせ黒点だろ!」

「おい葵...俺は圧力に弱いとだけ言っておこう...」

「ヒッ殺気!」

テストが返される3時間目まで俺らはこういう会話を繰り返した。



ーテスト返却ー

いろんなやつらが出席番号順から呼ばれていく。

「足立!」「石田!」「井上!」「伊辺!」

俺は「北西。」まだまだ先だが緊張する。

でも一番緊張していたのは...

「うぅ...正直こういうハラハラは慣れていません...」

加奈!お前根洗で結構最後だよな!?

なんで俺より緊張してるんだよ!

「北西さん...こっち見てどうしたんだろ...」




「えぇーーーー!?」

「えぇ。教え切りました。」

「4人全員赤点ってことあるんだ...」

「健次郎はどうなんだよ!」

「合計471点...」

「教えてください。」

口をそろえていった。

「なんだよ!しょうがねぇなぁ!」





ー放課後ー

「お前ら奇跡的に部活休みなんてなぁ...」

「健次郎!早く教えろよ!」

「葵...」

「健次郎君!ココわかんないんだけど...」

「お前ちゃんと問題文読んだか?」

「北西君...」

「百海...どうした?」

百海は上に着ていたブレザーを脱いだ。

「はっ!」

三人はなにかを察した。

「こういうの興味な...」

「ない。」

「なんでよ...たいていの男はこのトラップにハマるはずなのに...」





ー帰宅ー

俺は家に帰ってきた。学校という監獄から抜け出した。

そして何よりうれしいのが...


「連休だーーーーーーーーーー!」

「ピロッ」

携帯に通知が来る。

「?なんだ?」

送ってきたのは綾だった。正直綾は何を送ってくるかわからない。あまり俺は綾のことを理解しきれていない。

メッセージの内容を読んでみた。

『連休中の土曜日から日曜日。みんなで名古屋行かない?』

普段の俺の頭の中は?で埋め尽くされているが、

そのころは連休テンションでバグっていたため、

OKしてしまった。

と浜松駅の中で思ってしまった。

「あいつらおせぇな...」

「お待たせ!」

4人の私服が死ぬほどおしゃれだった。俺は全然ダサくて貧乏感丸出しの服だった。

(なんでこの服着てきてしまったんだろう...)

新幹線に乗る。

ここである問題が起きた。

俺らは5人。女子4人男子1人である

新幹線の横一列は2+3の席。勘がいいやつはもうわかるだろう。誰か一人俺の隣に来るということだ。

「誰が北西さんの隣に行きますか?」

「えー僕は嫌だから加奈行ったらー?」

「嫌ですよ!」

(私たち四人多分全員本音が読めます...みんな北西さんの隣に行きたいと...)

「じゃあじゃんけんで決めない?」

綾...お前は話のまとめ方がうまいな...

最初はグー!じゃんけんポイ!




ー新幹線の車内ー

結局綾が負けて俺の隣になりました。

「綾...俺と隣で居心地悪くないか?」

「だ...大丈夫だよ...名古屋まで一時間半ぐらいだし...」

とかさっきまでは言ってたが...愛知に入った途端眠り始めました。

こっちもたれかからないといいが。

てか四人全員寝てる!

チャンスだ!隠れて勉強でもしよう!

...っ!いきなり肩に重さを感じた。

横を見てみると...

(あ...綾!?お前ってやつは...って本当は起こしたいが疲れているんだろう。ゆっくり寝させてあげよう。)





ー名古屋到着ー

「名古屋ついた!!!」

「あそこでひつまぶし食べません?」

「僕はあのタワー上りたい!」

突如百花はアツアツのカップルを指差してこういった。

「北西君!一緒にあぁいう風に...」

「お断り。」

「なんでぇ!」

となんやかんや日中は過ごした。俺は疑問が出た。

「てかお前ら...ホテルどうするんだ?」

「健次郎君。安心して。ホテル5人分。部屋予約してるから。」





ーホテルにてー

「野々木です。5名で予約してたんですけど...」

ホテルのコンシェルジェは言った。

「6名様用の部屋がございますのでご案内いたしますね。」

俺らは結構高い階で泊まるみたいだ。


「こちらです。それではごゆっくりお過ごしください。」

「とりあえずお風呂は?」

「僕から提案がある!」

「お?なんだい葵ちゃん!」

綾...お前は無理矢理盛り上げようとするな...

「異性の残り湯とか隠れて堪能するきしょそうな健次郎からは入れ!」

「俺そんなんに思われてたの!?」

まぁいい。俺は入ってくる。




ー風呂にてー

ふぅ...知らない地だけど風呂はやっぱりどこでも気持ちいんだな...


『ガラガラ』

「ん?どうし...タッ!」

「ん?北西君どうしたの?ちゃんとタオル巻いてるよ?」

「そういう問題じゃねぇよ百海!お前自分が何してんのかわかってんのか!」

「え?一緒にお風呂入ろうとしただけじゃん。」

「それが異常なの!」

「まぁいいじゃん時間短縮になるし...」

「でも...女の子と一緒にお風呂入れる機会なんて一生ないかもよ...?」

「普通に妹と昔入ってました」

こいつ...羞恥心がなさすぎる...同性だったらまだわかるが...

異性の風呂に入ってやがる!

そのご立派な胸は異性じゃなくて同性に見せびらかしてください!それなら俺は文句言わない!

「体洗ってあげるのに...」

「わかった。お前の言い分は理解した。とりあえず俺が見てるところでそのタオルを外すな。いいな?」

「背中とか正直洗いにくいでしょ?」

「まぁそうだけど...」

「あなた175もあるくせに手短いんだから...」

うっ...図星...何も言い返せない...

「まぁ...いいだろう。」

「ふふっ。楽しい旅行になりそう!」


つづく...

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