30秒推理小説『未必の恋』

「順を追ってお話しします。妻が料理を作ってくれました。ここ半年ほど離婚話で揉めてましてね。危機的状況だったので、料理を作ってくれるなんて本当に久しぶりで少し驚きました。でも正直嬉しくもありました。『やり直せるかもしれない』って。ええ、別れたがってたのは妻の方で、僕は別れたくありませんでした。学生時代からの恋女房でしたから……すいません。話を戻します。しばらくして妻がトイレに立って、僕は自分の肉じゃがの方がジャガイモが多いことに気づいて僕と妻の皿を入れ換えたんです――妻はジャガイモが好物だったものですから、そして2人で食事をした直後に妻が急に……刑事さん。どうしてですか?どうして妻は死んだのですか?え?セイサン……何です?青酸カリウム?え?それって?え?え?」

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