ダンジョン7日目。

 一緒にドライマンゴーをちょっと食べ、PCを起動。 


 時間が有るので少しだけ昇級試験の勉強をする。

 理不尽な言葉遣いの問題も多いが、慣れてくれば解けないこともない。


 だいたいの問題が命を大切にする選択を選べば正解なので、覚えてしまえば簡単。

 数をこなして一発合格をめざそう。

 

 タマとアイアンが二人して部屋の隅に集まり、ジッと壁の方を見つめていたが、何かいるんだろうか。


 気にはなったが放っておこう。

 きっと蟻かGの名を冠する者だろう。

 




 そうこうしている内に時間が過ぎ、朝の6時半。

 切りがいいので勉強を終え、少しだけネットを見ると、推しと良くコラボしている人がまだ配信を続けていた。


 ん?あれ?

 配信始めたの昨日の19時じゃなかった?

 

 既に11時間が経過。

 狂気を感じる配信時間。


 内容は確か、20年ぐらい前のなんかの有名ゲームをクリアするまで耐久配信?だったかな。


 未だにジャンプを失敗して谷底に落ちていくのを、1万人が見守っている。

 この界隈だとこのぐらいの配信時間は普通らしいけど、誰かブレーキを付けてあげて。


 まだまだ終わりそうに無かったが、イイね!を押して配信を閉じる。

 配信サイトでは大毒沼のニュースも大大的に流れていて、現在は沼の拡大が停止しており、小康状態に入ったらしい。早ければ明日にでも自衛隊と探索者協会の凄い人が防壁を建て、結界を張るそうだ。



 がんばれ、自衛隊。

 がんばれ、凄い人。



 手を合わせ、心の中で応援し、平和を守る勇者達の無事を祈る。

 今の自分に出来ることを終えたので、ダンジョンに行く準備をする。


 ポケットにスマホ、リュックにお酒。

 バールのようなものと一緒に、散歩の時に買ったビーフジャーキーも入れておく。

 

 そういえばポーションと一緒にリュックに入ったままの、ビニールに包まれたなんかの草。

 多分魔力草だったと思うけど確証が持てない。


 魔力草?を冷蔵庫に移そうとしたら興味津々のアイアン。

 物欲しそうにしていたのでそのままあげると、ビニールを剥いでパクリ。



 「ぎゅぇ、ぎゅぇ…。」



 美味しくは無かった見たいだが、アイアンは食べれて嬉しそうだったので、なんとなくヨシ!。


 空いたスペースにぜんかいのクスリを5つ入れ、出発準備完了。





 軽く部屋を掃除し、タマとタマに変身したアイアンを連れ立って、アパートを出る。

 雲一つ無い晴天の下、気分良くダンジョンへ向かう。


 今日の電車はガラガラだった。

 時間的に丁度良かったのだろう。

 

 何事もなくダンジョンセンターに到着。

 人がそこそこいるのにも慣れてきた。


 普通にしていたら特に絡まれることも無い。

 というか、思った以上に良い感じの、いい笑顔の人が多い。


 初心者いびりみたいなのが有るイメージは、漫画の読みすぎた自分の思い込みだったのかもしれない。


 現実は実に平…………和じゃなかった。

 2回殺されかけていたんだ。



 そうだった。

 もっと強くならないと。



 気持ち新たに探索申請とパートナー申請。

 警備の人達に許可証を見せ、皆でダンジョンに入る。


 砂利道を進み一分歩く。

 いつもどうり入場ボーナスウインドウがポップ。


 最終日の7日目。

 受け取るボタンを押すと、自分の目の前に紫色の粒子が集まり、ひらりとSR確定ガチャ券が舞い降りて来た。


 

 

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