鎧袖一触。
バールのようなものが勢いよく振るわれる。
目の前にいた2体の骸骨が砕けながら吹き飛ぶ。
後ろにいた1体を巻き込み、壁に衝突。バラバラになった。
そのまま黒い粒子に変わり、魔石を残していく。
一撃三殺。
自分でもビックリ。
骸骨…もとい、スケルトンは滅茶苦茶弱かった。
これは仕事帰りのストレス発散にいいなぁと、もう働いていないのに、何故だか頭に浮かぶ。
後ろに残った二体にもフルスイング。
ガシャン‼ ガシャン‼
バラバラバラ。
同じく黒い粒子に変わり魔石を落とす。
良い。
良いですね。
何が良いかって、スライムやタケノコと違ってスケルトンには可愛げが一切無いから罪悪感が湧かない。
お酒の力を借りなくても倒し放題。
しかも魔石は2級。
タケノコより高額。
この一瞬で千円稼いだことにニヤけが止まらない。
「よぉ~し、この調子でどんどん戦っていこう。よろしく、タマ。」
目と目でタマと通じ合う。
走り出したタマの後ろを追いかける。
他の探索者と何度かすれ違いながら、2分ほど走ると、前方に動く3体のトカゲ。
小型犬より少し大きいくらい。肌がゴツゴツしていて浅黒い。
これが石トカゲかな。
向こうもこちらに気付いたようで近寄ってくる。
バールのようなものを振っても、長さが足らず当てにくいので、近くまで来た石トカゲを取り合えず踏みつける。
さすがにスライムと同じ様には行かず、足の下でジタバタする石トカゲ。
そのまま他の2体の攻撃を素通し。
噛みつき。
噛みつき。
踏みつけている足に二匹の石トカゲが噛みつく。
噛まれたが特に痛みは感じなかったので放置。
踏みつけている石トカゲをバールのようなもので叩く。
頭を5回叩くと、茶色の粒子となって魔石を残し、消えていった。
ちょっと硬いなぁ。
スケルトンはワンパンだったのに。
名前に石がつくだけはある。
足に噛みついている石トカゲにバールのようなもので攻撃。
ワンパンにならないかな?と目に突き刺す。
しかし当たらない。
3回目の突き刺しでようやく目に刺さり、石トカゲが驚き足から口を離す。
そのまま胴体を踏みつけ、頭を2回叩き、粒子に変わる。
同じようにして最後の石トカゲも倒す。
ふー。
なんとか決着。
怪我はしなかったが嚙まれたジーパンにクッキリと歯型。
穴が綺麗に開いている。
まぁ、ダメージジーンズとか有るし、飾りが増えたということで。
取り合えず、ヨシ!
………やっぱり新しいのを買おう。
その後もタマにモンスターの所まで案内をしてもらい、魔石を集めていく。
途中、尻尾の長い真っ黒なネズミの団体と遭遇したが、自分を見つけるなり我先にと、凄い勢いで逃げていき、倒すことが出来なかった。
他にもデカいヒル?みたいなモンスターが首筋に落ちてきて飛び上がって驚いたが、踏みつけたら2級魔石に変わり、なんだか得した気分に。
一時間ほど一階層を回ってみて、出てきたのはこの4種類だけだった。
石トカゲだけは倒すのに少し手間がかかるが、問題無く戦って行けると感じたので下へ降りていくことにする。
目指せ4階層!
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