ダンジョン5日目。

 ダンジョンセンターに入ると目につく人。人。人。

 初心者ダンジョンだと閑散としてたのにそこそこに人がいる。


 しかも皆若い。高校生ぐらいの見た目。


 中には肩に可愛いタケノコを乗せた男の子や、白くてデカい狼を連れた女の子、シマシマ模様の鶏を連れた銀髪の悪そうな男の子などなど、モンスター連れの探索者が結構いる。


 タケノコを乗せた男の子、やるじゃないか。いいセンスだ。 


 あのデカい狼を連れた女の子、絶対どっかのお嬢様。

 素人目に見ても分かる凄まじく高そうな装備。やっばい。


 漫画とかで良くある誘拐イベントの発生源ですね。近づかないでおこう。

 

 目視確認できる地雷原さんから距離を取り、受付へと前進。

 手続きを済ませダンジョン入り口へと向かう。


 途中、地雷原さんから絡まれることもなく無事ダンジョン入り口に到着。

 タケノコダンジョンと同じく洞窟タイプの入り口。こげ茶色の岩肌。

 

 警備の人も数人多い。初心者ダンジョンとはやっぱり違うなぁ。

 Eクラスダンジョンだとこれが普通なのだろうか?

  

 少しばかり不思議に思うが、まぁ、どうでもいいか。

 違和感は意識の外へと流れ落ちていった。


 警備の方々に許可証等を見せダンジョンに入る。

 

 タマと一緒に洞窟の砂利道を歩いていく。

 一分ほど歩くと、五日目の入場ボーナスウインドウがポップアップ。


 笑顔になりながら受け取りボタンを押し、青色のカプセルを開く。


 がぱっ


 


 とろけるお肉×3


 

 モンスターが喜ぶお肉。

 非常に仲間になりやすくなる。



 おおっ! 

 テイムアイテムGET!

 これでゴーレムやドラゴンをテイムして無双できちゃったり?

 

 溢れ出す妄想。 

 仲間が増えるよ!やったね!タマちゃん!


 頭の中でタマちゃん呼びしていると、おいやめろと言わんばかりの鋭い視線を投げかけて来るタマ。



 ……はい。

 ごめんなさい。やめます。



 思考を正常に戻す。

 取り合えずラップされたとろけるお肉をリュックにしまい、このダンジョンについて調べたことを思い出す。


 確か全8階層の洞窟型ダンジョンで4階層から宝箱が出現するんだったか。

 中身も初心者ダンジョンと違って、ポーションやちいさな硬貨など実用的だったり、買い取ってくれる物が出る。

 

 これは開けるしかない。


 いやいや、開けざるを得ない。

 

 よし。

 ということで。


 今日のダンジョン内目標決定。

 4階層以降に降りて宝箱を開ける!


 脱兎の如く4階層まで進みたい衝動に駆られる。

 が、流石に一度もモンスターと戦っていないのに奥まで進むのは無謀、という正論に阻まれ敗退。

 やむなく一階層をそこそこ探索し、モンスターとの戦闘経験をほどよく積んでから4階層へ向かうルートを採用。

 

 安全マージン、大切。



 タマに頼んで近くにいるモンスターに案内してもらう。


 砂利道を進む。

 歩き安い道。


 タマの後を2分ほど走ると、目の前に動く5体の骸骨が現れた。

 思っていたより数は多いが、何故だか負ける気がしない。


 リュックからバールのようなものを引き抜き、おおきく振りかぶった。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る